通信キャリア各社が開発を進めてきた新たな通信規格LTEのサービスが開始されて以降、携帯電話市場は顧客獲得競争が激化している。ソフトバンクとKDDIが米アップル社のiPhoneの販売でNTTドコモを脅かす勢いとなっていたが、既存のLTEを上回る超高速LTEをドコモが投入したことで契約数を伸ばし、昨年末には再びドコモが復調となった。
NTTドコモの高速通信サービス「Xi(クロッシイ)」は、従来のダウンロードで最高75Mbps規格のところを、さらに高速な100Mbps規格を実現し、サービスを開始している。これによりアプリのダウンロードや動画も待ち時間なしで閲覧できるなど、快適さが増したとしている。
対するソフトバンクは、米携帯電話3位のスプリント・ネクステル社の買収や、通信網拡大を狙ったイー・アクセスの買収により、さらなる追い上げを目指す。イー・アクセスのLTEサービスが米アップル社のiPhone5で世界標準の電波に指定された周波数帯を持っていたことでKDDIとの争奪戦となっていたが、結局ソフトバンクが巨額買収により獲得した格好となった。
一方、KDDIは、住友商事との共同TOBにより、ケーブルTV業界首位のジュピターテレコム(JCOM)とジャパンケーブルネットを統合して、運営を行うとしている。両社の統合により、ケーブルTVシェアが50%超になるなど、利益拡大を狙う。
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『日本電信電話』:9432