カーボンナノチューブは、「カーボン(炭素)+ナノ(ナノメートルという極小の単位)+チューブ(円筒)」という炭素原子が網目のようになって筒状の形状をしているもので、直径0.4~50nmという電子顕微鏡で観察しなければならないほどの極小サイズである。
円筒状の構造になっており、バンド構造が変化することで電気伝導率が変えられるるため、電子をより高速に大容量を移動させることができるという利点から、半導体などのさまざまな電子部品への応用が期待されている。
カーボンナノチューブの開発に注力する企業としては、高機能素材を手掛ける日本ゼオン、合成繊維大手の東レや帝人などが挙げられる。
また、繊維専門商社のGSIクレオスはカーボンナノチューブを用いて高機能の深海用機器を開発している。住友精密工業はカーボンナノチューブを用いた熱伝導率を大幅に高められるアルミ複合材料を開発している。
カーボンナノチューブを発見した飯島澄男氏が特別主任研究員として在籍するNECでも、研究開発が進められている。