ナノテクノロジーとは、1メートルの10億分の1という極小の物質を創製し、それらの性質や機能を素材や情報通信、環境バイオ関連などの産業に活用する技術のことを言う。
従来の半導体技術や記録技術、光技術などは、数年後には性能の限界を迎えるのではないかという危機感からも、新たな次世代技術としてナノテクノロジー分野には大きな期待がかかっている。
そのため、国家戦略として技術革新を推進する意味でも、ナノテクノロジー研究に対しては助成金や補助金などで支援する動きが日本も含め先進各国で見られる。特に、カーボンナノチューブの開発によってエレクトロニクス産業全体が活性化することが期待されているのだ。
ナノという分子レベルでの研究は医療分野でも進められており、個々の患者の病態に合わせた治療や分子標的治療などで効果を発揮できるとして、各大学と製薬会社などが連携して研究開発に取り組んでいる。ナノ単位での治療ができれば、病変周囲に影響を及ぼさずに治療が可能になることも期待されている。