昨年末、欧州連合(EU)は貿易相理事会において、日本との間に貿易や投資、サービスなどを自由化する経済連携協定(EPA)の提携に向けた交渉を開始することを決定している。
EUは国内総生産の合計がアメリカを上回っており、EPAの経済規模は2兆3,815.59億ドルとの試算もある。協定が締結すれば、日本の自動車や電気製品などの輸出が拡大する見込みがある。一方の欧州も、EPAが実現化すれば数十万人の雇用が創出されるとの試算もある。
ただし、双方でクリアしなければならない問題が多いのも事実。貿易の自由化により海外の農作物が安く日本国内に流通すれば、国内の農業の衰退を招いてしまう恐れもある。逆に、フランスやイタリアなども自国の自動車産業に悪影響があるとして難色を示してる。
まだ交渉は始まったばかりだが、EUは交渉開始から1年後には日本政府の取り組み如何によって交渉を打ち切るとの方針である。順調に進展した場合でも、EPA発効までには4~5年かかるのではないかと欧州委員会も見ている。