65歳以上の人口が総人口に占める割合は23%を超え、超高齢社会に突入している。要介護者人口も今後さらに増えていくと予想される中で注目されているのが、介護食市場である。
要介護者や後期高齢者の多くは、噛む力が弱る咀嚼(そしゃく)障害やうまく食べ物を飲み込めない嚥下(えんげ)障害をかかえている。こうした困難に対応するべく、高齢者向けの介護食(メディケアフーズ)の需要が急増しているのだ。
これを受けて食品メーカーを中心に介護食分野に本腰を入れる企業が増加しており、他業種からの新規参入を果たす企業も増えている。2012年の市場規模は約1000億円だが、10年後には2000億円に達するのではないかと予想されている。
介護食関連企業としては、大手食品メーカーの味の素(2802)やキューピー(2809)、明治(2269)、日清オイリオグループ(2602)、キッコーマン(2801)、ハウス食品(2810)、ニチレイ(2871)、マルハニチロ(1334)、日本水産(1332)など。医薬品メーカーのキッセイ薬品工業もヘルスケア事業として介護食を提供している。