エボラ出血熱に対する治療薬はいくつか開発中のものがあるものの、十分な治験結果が得られていないため承認には至っていない。しかし、感染拡大の恐れから未承認薬をエボラ患者に投与して完治した事例もあることから、今後早ければ米国内でのFDA承認が得られる運びとなるだろう。
富士フィルムホールディングス(4901)傘下の富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬の「ファビピラビル(商品名:アビガン)」は実際に治療に用いられて効果があると確認されており、エボラ出血熱の治療薬として国際的に承認される見通しとなっている。アビガンは日本国内ではインフルエンザ治療薬として承認されている。なお、予防ワクチンについては各国の大手医薬品メーカーが研究開発を進めている。
臨床検査薬を手がける栄研化学(4549)は、自社が持つ遺伝子検査法の技術を活用してエボラウィルス遺伝子の特定検査キットを開発する方向で検討している。従来の検査法は大型装置を用いているが、感染地域への輸送がしやすいようなコンパクトな検査薬を開発してアフリカ地域に供給していく方針である。
東芝(6502)は、エボラ出血熱に感染したかどうかを判定する機器を開発すると発表している。これまでは感染の有無が判別するまで数時間かかっていたが、この機器の使用で最短20分、最長でも1時間で判定できるとしている。
正露丸で認知度が高い大幸薬品(4574)は、近年の鳥インフルエンザウィルスなどの感染症予防として開発した空間除菌剤「クレベリン」がエボラ出血熱の感染対策にもなるとして関連企業として浮上している。
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