環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加は日本にとっては難問であることに変わりなく、政権交代して自民党が舵取りを行うことになっても依然として慎重な姿勢が続いている。
現在はアメリカやフィリピン、シンガポールなど11ヵ国がTPP交渉に参加してルール作りを着々と進めている。日本は交渉に参加していないため、11ヵ国の間でどのような進展があったのかが見えにくいのも難点である。
20分野以上を一括受諾方式で交渉を行っているが、物品の関税が具体的にどうなるかは具体的に開示されていない。
仮に日本が参加を表明したとして、自由貿易としてさまざまな物品の関税が撤廃されると、これまで守られてきた日本の農産物分野では打撃を被る恐れがある。逆に海外への輸出を主とする自動車や電機、精密機器などの分野にとっては明るい材料となるだろう。
また、輸入食材を商材とする外食産業や食品、小売り分野では恩恵がもたらされる可能性があるとして期待がかかっている。