生物(動植物)が生きていくうえで必要な最小限の遺伝情報の組み合わせをゲノムと言う。遺伝情報は個人によってさまざまな組み合わせを持っており、それぞれのゲノム情報を解析することで個人の体に合った薬剤などを作り出すことができる。
個人の遺伝情報に合った特定の薬ができれば、副作用が少ないうえに病態に対してより効果的なアプローチができるなどの利点があるため、創薬などに応用されるケースが多い。
また、バイオはバイオロジー(生物学)とテクノ(技術)が融合してバイオテクノロジーとして知られている分野である。ゲノムと同様に遺伝子情報を利用して医薬品の開発に応用されているが、農作物の品種改良などにも利用されるなど幅広い意味で用いられている。
農作物の遺伝子組み換えによる品種改良に関しては、人間の体に対する安全性の確認が必要となるが、効率よく生産できるため安定した供給ができるとして、農業や食品の開発に幅広く利用されている。
医療の分野においては将来的に、がんや特定の病気に対して有効な遺伝子を患者の細胞に働きかけることで、より安全で効果的な治療ができると期待されており、研究が進められている。