免疫療法とは、人間の体が本来持っている免疫力を高めることでがん細胞を攻撃させて病巣を消滅させようというものである。体内の免疫を活性化させる療法なので、手術のような痛みを伴わないことから多くの関係者がその効果や実現に期待を寄せている。
免疫療法には食品などで免疫力を高める能動免疫療法と、リンパ球などを体外で活性化させて体内に戻す受動免疫療法の二つに大別される。
遺伝子医療研究に注力するタカラバイオは、NK細胞の活性化をがん治療に活用するなどの研究を重ねている。中国子会社にがん治療抗体の製造施設を新設し、拡大を図っている。
ナノキャリアは、「ミセル化ナノ粒子」にがん薬品を封入して静脈内に投与することで薬物を血中に長時間循環させられるうえ、がん組織に集中して投与できるという研究結果をもとに、従来より副作用の少ないがん治療薬の開発を進めている。
ステラケミファや住友重機械工業は、中性子でがん細胞だけを狙い撃ちする「ホウ素中性子捕捉療法」の臨床試験を始めると発表している。周辺には影響を与えずにがん細胞だけを破壊する放射線療法として注目が集まる。
京都大学助教授がカーボンナノチューブをがん治療に使用する方法を見つけたとして、関連企業であるGSIクレオスにも注目が集まっている。
