リチウムイオン電池とは、負極に炭素材料を、正極にはリチウムイオン含有金属酸化物を用いて開発された、充放電が何度でもできる二次電池のことである。
大きな特徴としては、他のニッケル電池などに比べて約3倍の電圧が得られるほか、重量・体積エネルギー密度が大きいので小型軽量で大量のエネルギーを得られる電池なのだ。
その用途としては携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器用電源や、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HEV)用電源、太陽光発電や風力発電などの蓄電池、住宅用蓄電池など、今ではハイテク産業に欠かせないものとなっている。
最先端技術を駆使した米のボーイング787型旅客機にも、大型リチウムイオン電池が採用されて話題になったのは記憶に新しい。
そもそもリチウムイオン電池を開発したのは日本なので、当初は日本企業が世界シェアの大半を握っていたが、今では韓国企業に世界シェアを奪われている状況にある。そこで、日本政府は開発支援プロジェクトを立ち上げて、リチウムイオン電池のエネルギー密度を2倍以上にすることを目標として掲げている。
また、スマートフォンやタブレット端末などの市場拡大や、再生可能エネルギーの蓄電ニーズの高まりを受けて、今後もさらに市場拡大が見込める分野として期待されている。