安倍政権は緊急経済対策として、60万人の雇用創出を挙げている。実質国内総生産(GDP)を2%押し上げることを目標に、5兆円超の建設国債発行や11年度の決算余剰金などから捻出して経済効果を狙うとする。
これにより民間投資や消費が喚起されて所得・雇用の増大へと導くためにも、政府は日銀と連携して大胆な金融政策を行っていくとしている。
この輪転的経済政策の効果が出てくれば、人材派遣などの雇用関連市場も活性化するのではという思惑から、今後は人材派遣業にも注目していきたい。とは言え、派遣法改定によりマージン率の公表義務や事業規制の強化など、派遣会社にとっては苦しい状況に追い込まれた感も否めない。
しかし逆に言えば、情報開示や事業内容によっては成長が見込める人材派遣会社もあるだろう。現在、日本は若年層の失業率が高いことやパートタイムなどの非正規雇用の増加が問題となっっているが、人と仕事のマッチングが重要だという観点から、ニーズに合った就職や転職を支援する会社も増えてきている。
医療人材サービスや技術者派遣業、製造業派遣など、幅広い業種において人材派遣業や再就職支援事業などがあり、それぞれの企業が役割を果たしてくれることを期待したい。