バイオベンチャーとは新薬の研究・開発や、再生医療などの医療技術に携わるベンチャー企業で、大学などの研究をもとに成果を実用化するために設立されることが多い。日本のバイオベンチャーの多くは2000年前後に産声をあげており、黎明期の10年を経て今ようやく成長期に入ったところである。
2012年に行ったバイオベンチャーに関する調査では、日本国内だけでもバイオベンチャー企業が約540社が設立されている。米国のアムジェンやジェネンテックのような成長を遂げた企業はまだ日本では出ていないが、長らく日本経済が低迷していたことによる資金面での痛手が成長の妨げとなっていたようだ。
第二次安倍内閣では、緊急経済対策として再生医療研究への支援を検討しており、文科省は今後10年で1100億円を投資する考えを発表している。こうした政策がバイオベンチャーにとって追い風になることは明らかである。
経済産業省の研究会は、iPS細胞などを使った再生医療の市場規模は2030年には今の60倍になると試算している。今後は創薬過程における臨床試験の期間を短縮するなど承認制度の変更などの検討も予想されることから、国内の医薬品の研究開発はいよいよ活発化していきそうだ。