遺伝子研究用の試薬や創薬に必要な試料を製造販売するバイオベンチャーも、大きな成長を遂げている。特に、iPS細胞の研究に関わる創薬支援ベンチャーには各界から注目が集まっている。
遺伝子研究用試薬の販売が伸びているタカラバイオ(4974)は、京都大学のiPS細胞研究所に細胞組成材料などの供給を行う代表的なiPS関連企業である。ヒトゲノム・遺伝子解析の受託や遺伝子工学実験の受託など、幅広い技術力を持っている。
テラ(2191)は、がん免疫療法である樹状細胞ワクチン療法が好調で、今後は提携医療機関の開拓に注力するとしている。また、細胞培養受託サービスの事業化や医薬品化にも取り組んで、独自技術を国内外に浸透させていく方針である。
カイオム・バイオサイエンス(4583)は、遺伝子組み換えによる抗体作製技術をもとに抗体医薬品の創薬アライアンス事業を展開する。トリ細胞からヒト抗体を産生する独自の技術を持ち、多くの提携先企業に提供して収益を伸ばしている。
DNAチップ研究所(2397)では、DNAチップやPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)を利用した遺伝子解析が主力。ほかにも関節リウマチ診断サービスや高速シーケンサーの販売も行っている。さらに、大腸癌診断用チップの開発なども大阪大学と共同研究で進めている。
免疫生物研究所(4570)では、抗体の作成を基盤として研究用試薬の製造販売や受託サービスを行っている。抗体医薬はがんやさまざまな疾病の治療に効果的なことから、医療機関での研究開発に多く使用されている。また、遺伝子組み換えカイコを利用したさまざまな事業にも力を入れている。
キナーゼタンパク質の製造・販売を行っているカルナバイオサイエンス(4572)は、小野薬品工業と業務提携契約を結んで創薬事業に意欲的に取り組んでいる。