米国のシェールガス革命を受けて、いち早く動いた日本企業は総合商社だった。海外との豊富な取引経験を活かし、権益取得を実現している。
住友商事(8053)は、2009年にテキサス州のガス会社とパートナーとなりプロジェクトに参入を果たしたほか、2010年にはペンシルバニア州のプロジェクトにも参入している。同社は全米でガスの販売事業を展開しており、日本国内においてもシェールガス由来の液化天然ガス(LNG)を、東京ガス(9531)や関西電力に供給すると発表している。
また、東京ガス(9531)は住友商事とともに、米メリーランド州のLNG液化・出荷基地内にガスの液化を委託する共同会社の設立を決定している。東京ガスは、単独でもテキサス州のガス田の権益25%を取得しており、年間35万~50万トンのLNGを米国市場で販売する予定である。
三菱商事(8058)は、2010年にカナダのブリティッシュ・コロンビア州のシェールガス採掘プロジェクトにおいて50%の権益を取得している。13年3月にはカナダ政府が三菱商事などに対して、日本やアジアなどの諸外国にLNGの輸出する事業を認可しており、19年から販売を開始するとしている。
伊藤忠商事(8001)は米投資ファンド会社と共同で、米オクラホマ州の石油・天然ガス開発大手サムソン・インベストメントを買収している。サムソンは15年以降にも日本への輸出を検討している。このほか、丸紅(8002)や三井物産(8031)も米国でシェールガス権益を取得している。
<シェールガス関連銘柄>
『住友商事』:8053
『東京ガス』:9531
『三菱商事』:8058
『伊藤忠商事』:8001
『丸紅』:8002
『三井物産』:8031