ロボット関連銘柄

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ものづくり日本の成長戦略を担う技術のひとつに、ロボット産業が挙げられる。実際、製造業の現場において、少子高齢化による人手不足を解消する手段や作業負荷を軽減する役割を担うとして、産業用ロボットの利用は今後さらに増えていくと予想される。

 

市場規模は2012年は約1兆円で、そのうちの8割は産業用ロボットが占めている。主に製造現場で使用されることから、中国やASEANなどの海外への輸出が半数以上となっている。ただし中国においては、技術革新が進んで輸出国に転換する可能性もあるという見方がある。

 

今後の展開としては、ロボット単品だけでなく、設計からオペレーションまで一貫して請け負うシステムインテグレーション技術を各企業が売り込むことができれば、日本のロボット市場は倍増するのではないかとされている。

 

また、製造だけでなく超高齢社会に伴なう医療や介護、清掃、移動支援などのサービス分野においても、ロボット利用が幅広く普及することが期待されている。
 

【 産業用ロボット 】

robot_1産業用ロボットには「溶接・塗装系」「組立・搬送系」「アクチュエータ系」「クリーン搬送系」がある。欧米の自動車業界の需要が回復したことや、アジアの自動車の需要が増加して自動化が進んだことを受けて、産業用ロボット市場は拡大傾向にある。

 

特に、タイやインドネシアなどASEANの自動車生産が拡大しているほか、インドやブラジルなどの新興国でも自動車の需要が増えていることで、業界ニーズに合わせたロボットの出荷が2011年、2012年ともに増加している。

 

産業用ロボットで台数世界首位の安川電機(6506)は、溶接、ハンドリング、組み立て塗装などの分野に強みを持ち、双腕ロボットや高速搬送ロボットなどを手掛けている。また、これまで開発が難しいとされてきた精密部品の組み立て用ロボットを13年1月に発表しており、電子部品など精密分野にも販路が広がることが期待されている。

 

工作機械が主軸のファナック(6954)は、産業用ロボットや自動化に伴なうアプリケーションパッケージ、ツールソフトウェアなどの開発も手掛けている。今後は自動車分野に向けて、自動車部品加工に特化した小型マシニングセンタ「ロボドリル」を投入し、市場攻略を画策している。

 

このほか、産業用ロボットの開発を進めている企業は、川崎重工業(7012)、三菱電機(6503)、THK(6481)、ユーシン精機6482)などが挙げられる。

 
<関連銘柄>

川田テクノロジーズ(3443)

 
【 ロボット家電、生活支援ロボット 】

robot_2私たちの暮らしに直結するロボットと言えば、お掃除ロボットなどの家電ロボットではないだろうか。お掃除ロボットで人気が高いのはiRobot社の「ルンバ」だが、近年、シャープ(6753)で開発されたロボット家電・掃除機「COCOROBO」が、プラスアルファな機能を搭載して「ルンバ」を追い上げている。

 

ロボット家電「COCOROBO(RX-V100)」は音声認識エンジンを搭載しており、簡単な挨拶や会話を認識してコミュニケーションを楽しめる、ペットのような掃除機になっている。また、カメラも内蔵しており、COCOROBOが撮影した写真をスマートフォンで確認できるという機能も付いている。長期間、家を留守にする人が、防犯対策として購入するケースもあるようだ。

 

パナソニック(6752)が開発を進めるロボットは、人間のアシスタントとなり得るタイプのもの。介護用ベッドをより進化させたというロボティックベッドは、ベッドが簡単な操作で車いすになり、介護する側される側の双方の負担を軽減してくれるものになっている。

 

大和ハウス工業(1925)は、脚の障がいがある人や高齢者向けの自律動作支援ロボット「ロボットスーツHAL福祉用」を開発している。高齢者などの心を癒すメンタルコミットロボット「PARO」や、自動排泄処理ロボットなど、介護生活を支援するロボットの開発を進めている。
 
CYBERDYN(7779)は、介護や医療現場、災害現場のレスキュー活動などを支援する「ロボットスーツHAL」を開発。体にHALを装着して脳から筋肉へ信号伝達することで普段より大きな力が出せて、高齢者や身体障害者の生活をアシストすることが容易になる。サイボーグ型ロボットとしては世界初で、CEマーキングの認証を取得している。

 

菊池製作所(3444)は、大学研究室や地方自治体、公的機関などと連携して「マッスルスーツ」などの介護用ロボット製品の生産規模を拡大している。

 

【 ヒューマノイドロボット 】

多くの大学や研究機関などで研究開発を進めているヒューマノイドロボット(人間型ロボット)は、実質的な作業を行うばかりでなく人間とコミュニケーションがとれるという点で、私たちの心を和ませたり楽しませたりする役割がある。特に、高齢者や病人のための介護ロボットにこうした役割が付加されれば、メンタルケア効果も得られるのではないかと考えられている。

 

ヒューマノイドロボットの代表と言えば、ホンダ(7267)の「ASIMO」だろう。開発当初は二足歩行で走ったりダンスを踊ったり飲み物をサービスするなど、人間の動きに近いロボットの誕生に人々を驚かされたものだった。現在、認められる新機能には、自立充電機能などがある。

 

川田工業(川田テクノロジーズ 3443)が産総研とともに開発した二足歩行ロボット「HRP-4」は、重量39㎏で音声認識により動作ができる。川田工業では上半身が人間型の産業用ロボットも開発・実用化しており、実務的にも人間のパートナーとなり得るロボット作りを目指している。

 

セック(3741)は人間型ロボットのミドルウェア開発に注力している。ロボット部品の共通規格化ができればコストが抑えられて普及が促されるのではないかとの視点に立ち、ロボット用ソフトウェアと合わせてミドルウェア開発を進めている。

 

ソフトバンク(9984)は、人に寄り添う感情認識パーソナルロボット「Pepper」を誕生させた。Pepperは人とふれあう中で人の感情を認識して自律的に反応できるコミュニケーション型ロボットで、今後はスマホ同様にアプリケーションをダウンロードして動きや会話に変化を持たせることが可能となる。2015年2月から一般販売を予定している。

 

【 医療用ロボット、その他 】

医療分野では検査・診断、治療・手術などを正確に行なうためのロボットのニーズが高まっており、国の成長戦略においても育成重点産業と位置付けられている。

 

これを受けて、医療関連機器を製造するシスメックス(6869)は川崎重工業(7012)とともに医療用ロボットの企画や市場調査を行なう会社を共同で設立し、医療ロボットの開発や製造、販売などを進めている。

 

ヒューマノイドロボットなどの次世代ロボットは、より滑らかな動きを追及することで限りなく人間に近づけることができる。そのため高精度な部品を研究開発する企業もロボット関連として注目されている。

 

ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)は、「ASIMO」の腕や足の関節部分に使用されているハーモニックドライブ(波動歯車装置)を製造している。精密制御減速装置が主力だが、生活支援ロボットの研究も進めている。

 

精密機器を手がけるHOYA(7741)は、シンガポールのロボット手術支援システムを開発するベンチャー企業に出資するなど、ロボット関連分野にも積極的に展開を図っている。また関連会社のHOYAサービスの音声ソリューション事業部は、ロボット宇宙飛行士「KIROBO」と若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで対話する実験に成功したとして話題になった。

 

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