海運業界は2007年まで中国など新興国を中心とした資源輸送により、盛況な状態が続いていた。2007年度の決算では日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社が過去最高の売上高を記録した。しかし、2008年秋の金融危機による世界的な不況で新興国需要が低迷し、各社の業績も悪化した。大型貨物船の運賃は2008年に下落した後、一時は反発も見られたものの低迷が続いている。各社は停船等で運賃の下落に対抗している。
売上高ランキングは上位から順に日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、となっており、上位3社が海運業界の90%近いシェアを占めている。
日本郵船(9101)は陸運・空運も強化しており、傘下に郵船ロジスティクスや日本貨物航空(NCA)がある。
商船三井(9104)は船隊規模で世界一である。鉄鉱石船、タンカー等の不定期船に強く、コンテナ船で海外提携を拡充している。
川崎汽船(9107)はコンテナ船の比率が高く、バラ積み船や自動車船を強化している。大型重量物船に強い。
第一中央汽船(9132)は不定期外航船の大手である。鉄鋼関連などバラ積み船主力で、市況により業績が左右される。
新和内航海運(9180)は旧新和海運(現NSユナイテッド)の内航子会社である。