新興国の急激な経済成長にともない深刻化しているのが「水」問題なのだ。
産業用水よりも重要なのが人の生命にかかわる飲料水や上下水道のインフラ整備が必要とされている。
そこで必要となるのが「水」のマネジメント力である。その担い手となっているのが世界各国とさまざまな分野で取引を行なっている国内の総合商社である。
水道には大規模な整備が必要だが、整備事業には巨額の費用と技術を持った人材、施設、運営力なども必要である。また、単に技術開発をするだけでなく各国でいかに運営していくかが課題となるのだ。
三菱商事(8058)は、上下水道や産業用排水処理施設などに関して先進国だけでなく途上国にも水ソリューションを展開するための「環境・水事業部門」を立ち上げている。
三井物産(8031)も、大手水事業会社のハイフラックス社と共同出資して中国などで水事業を拡大、双日(2768)は東南アジアやインドなどで排水処理事業のトータルソリューションを展開している。
伊藤忠商事(8001)は東洋紡とともにサウジアラビアでの海水淡水化設備や逆浸透膜の向上を稼働させるなど、世界の水事業を促進している。
丸紅(8002)は、東レ(3402)の限外ろ過膜と逆浸透膜を活用した技術で、ウクライナの炭鉱地下水飲料水化設備供給契約を締結している。