近年、外科手術をせずに末期がんを克服できる治療法があるとして、マスコミでも取り上げられているのが「がんワクチン」の登場である。
ワクチンと言うとインフルエンザやさまざまな病気に対する予防法として用いられているが、がんワクチンの場合は病気治療のためのワクチンのこと。
まだ臨床研究段階で承認された医薬品ではないが、治験の様子や経過が良好なことがさまざまな番組で取り上げられており、痛みを伴わない夢のような治療法に医療関係者は多くの期待を寄せている。
東大医科学研究所が立ち上げたベンチャー企業のテラは、樹状細胞ワクチン療法が軌道に乗り始めたことで話題になっている。まだ臨床研究の段階だが、効果が非常に期待できることから治験に関わる提携先を今後も増やしていく予定である。
樹状細胞ワクチンやがん免疫療法に使用する細胞加工などを支援しているメディネットも、再生医療CPCの技術ライセンシングなどの拡張を目指している。
中外製薬と大日本住友薬品は、骨髄異形性症候群を対象にしたがんペプチドワクチンの治験を開始しており期待がかかっている。
がん治療ワクチンが主体のオンコセラピー・サイエンスは、膵臓がんワクチン療法剤の中間解析で安全性が確認されており、臨床試験の施設を2倍に拡大して成果を目指している。
