原発稼働ゼロを目指すとしていた民主党から、経済成長最優先を掲げる自民党への政権交代により、政府のエネルギー政策が再度検討されている。
その背景には、原発に代わる火力発電の燃料費増加に伴なる電力会社の電気料金値上げが、企業活動の重しとなっているとの考えがある。実際、原発の発電コストに比べて火力発電は燃料コストがかかるため、電力会社が電力の値上げを実施しており、企業活動を圧迫するのではないかと懸念されている。
安倍総理は原発再稼働や原発新設を再検討すると発言していることもあり、原発に関わる産業もふたたび浮上してくるとの市場での思惑もある。なお、政府は今後の原発対応に関して「原子力問題調査特別委員会」を設置するとしている。
原子力発電に関しては、核燃料や制御棒、冷却材、減速材、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、炉心冷却装置などが重要な構成材料となっている。
これらに関わる企業は、海外での需要増を受けて国外へと進出を果たしているが、自民党政権の原発見直しにより国内需要も再転換する可能性も出てきている。