技術立国の日本にとって、レアアースはエレクトロニクス製品の性能を向上させるために必要不可欠なものなのだが、尖閣諸島を巡る日中関係の緊張にともない中国からのレアアース輸入停止を余儀なくされたのが2010年のことである。
こういった背景から、輸入の大半を中国に頼っていた日本は一時的に窮地に追い込まれたものの、国内の各企業が代替品の開発を進めたことで、現在は中国やレアアースそのものに依存しない方法を確立しつつある。
実際、脱レアアースの技術革新を推進するために、経産省は日本企業に対して多大な支援を行なっている。対策として、レアアースを使用しない製品の開発や廃棄製品からのレアアース回収技術に対して、研究開発経費を支給するなどとなっている。
これを受けて脱レアアースに取り組む企業が増えたことにより、中国のレアアース企業がレアアースの生産休止に追い込まれたり、レアアースの価格が下落するなどの皮肉な結末を産んでいることも特筆すべき点である。