尖閣諸島問題で悪化した日中関係は、未だ回復の兆しが見られない。12年9月に日本が尖閣諸島の国有化を閣議決定した直後には、中国各地で抗議のための反日デモが広がり、中国に進出している日本企業は大きなダメージを受けている。
また、経済成長により人件費や不動産が高騰していることも中国に進出する企業にとってはハイリスクとなっており、こうした中国リスクを嫌気して中国での事業を縮小したり撤退する企業も出てきている。
しかし、リスクを回避しながらさらなる成長を求めて中国での事業拡大を進める企業もある。その思惑は企業によってさまざまだが、中長期的に見ても中国はこれからも経済成長を続けていく可能性があり、今後の市場拡大に期待を寄せている。
業態によって温度差はあるものの、コストを抑えるために主要都市を離れて内陸部に拠点を移すなど、中国市場を戦略的に取りこむことで着実に利益を伸ばすことが可能だと見る経営者も少なくない。