電力業界は、「一般電気事業者」である地域の電力会社(北海道電力から沖縄電力までの計10社)が市場を占めてきたが、電気事業制度改革により卸電気事業者や新電力(特定規模電気事業者)等も参入している。
卸電気事業者とは、一般電気事業者に電気を供給するため、200万kWを超える出力の供給設備を有する事業者である(例:電源開発、日本原子力発電)。新電力(特定規模電気事業者)とは、特定規模需要に応じ一般電気事業者が運用・維持する系統を経由して供給する事業者(例: エネット等53社、平成24年3月時点)である。
資源エネルギー庁によると、平成24年3月時点で新電力の全体の販売電力量に占めるシェアは3.5%程度で、規制緩和後も一般電気事業者10社は大きな位置を占めていると言える。
東京電力(9501)は電力業界首位だが、福島第一原発事故による巨額賠償負担や廃炉費用で経営が悪化している。政府が出資し、一時は公的管理下にあった。関西電力(9503)は東京電力と並ぶ業界の雄で、原発依存度が高い。原発設備利用率の低下で経営が悪化している。中部電力(9502)は電力業界3位である。2011年5月、国の要請で浜岡原発の運転が停止された。