電力事業では10社がほぼ地域独占を行って来たが、ガス事業は都市ガス供給社だけで200社以上ある。このほかガス管が敷かれていない郊外地域では、ボンベを用いてＬＰガスを供給する中小企業が2万社以上存在する。ただしガス業界でのシェアは、ガス大手3社の東京ガス（9531）、大阪ガス（9532）、東邦ガス（9533）だけで市場の７5％以上を占めているとの報告がある。
都市ガス最大手の東京ガス（9531）は、国内で初めて都市ガス原料に天然ガスを導入した都市ガス、天然ガス事業のパイオニアでもある。都市ガス2位の大阪ガス（9532）は京阪神地盤で、燃料電池用触媒など技術力に定評がある。3位の東邦ガス（9533）は愛知、岐阜、三重の3県が営業地域である。3社ともコージェネレーション事業を推進している。（ガスのコージェネレーションシステム：ガスを使って電気と熱を取りだし利用するシステム。ガスで発電すると同時に、廃熱を給湯や空調などの形で活用するのでムダがなく、環境性・省エネ性に優れている。）
電力事業と同じく、ガス事業でも制度改革の動きがあり、資源エネルギー庁によると平成19年4月時点で28社の新規参入が出現している。全大口供給量に占める新規参入事業者の供給量は、約10.1％（平成19年度実績）となっている。