今後のiPS細胞研究に私たちが期待するのは、これまでに原因や病態が明らかになっていなかった病気の研究が進むことで効果的な医薬品が開発されて、難病治療が可能となることではないだろうか。
そういった意味でも、iPS細胞やES細胞の幹細胞から開発される新薬は待ち遠しいものとなっている。実際、国内の医薬品メーカーは各研究機関と共同で難病の原因を探る研究が進んでいる。
武田薬品工業(4502)は慶應大学の研究チームとともにアルツハイマー病の治療法などを探っている。また、大日本住友製薬(4506)は京大研究チームと難病治療に関する共同研究契約を締結している。
アステラス製薬(4503)は京大との共同研究により、癌抑制細胞がiPS細胞の生成に阻害していることなどをつきとめるなど、iPS細胞における研究を進めている。
第一三共(4568)でもiPS細胞から癌細胞に関係する研究により、新薬開発を進めている。また、iPS細胞の培養に必要な試薬の販売は、バイオに注力している協和発酵キリン(4151)でも行っている。
<関連銘柄>
『セルシード』:7776