自動運転車が安全に走行するにはミリ波レーダーの存在が欠かせない。ミリ波レーダーとはミリ波帯の電波を使用して周囲の状況を探知するレーダーシステムのこと。電波なので降雨・降雪時でも使用可能なため、車載レーダーとして衝突を防ぐ役割を果たすことになる。
このミリ波レーダーを手がけているのは、日立製作所(6501)、富士通(6702)、デンソー(6902)などである。
日立製作所は日立AMSやクラリオン(6796)と連携して自動運転車に必要な高度運転支援技術を共同開発すると発表している。
富士通はミリ波レーダーの軽量化に取り組んでおり、実際にミリ波レーダーを搭載した自動運転車が前方の車に近づいた際の距離と相対速度の検知性能のテスト等も行っている。
三菱電機(6503)は車両用のミリ波レーダーシステムの実績があり、自動運転車用の位置認識装置の研究開発も進めている。
トヨタ系自動車部品メーカーのデンソーは、複数のセンサーと車両運動制御技術を用いた自動運転技術の研究を進めており、公道試験も行っている。
水晶振動子などの水晶デバイスの製造で世界トップクラスの日本電波工業(6779)は、ミリ波で走行する車両や人などの位置と速度を瞬時に検知するミリ波センサの開発を行っている。
日本電産(6594)はカメラ一体型の小型・軽量化した高性能ミリ波レーダーを開発し、2017年に発売を開始するとしている。これにより自動車向けの事業拡大を目指している。