前の章で、信用取引は委託保証金を担保に、お金や株式を借りて株式売買をするものだとお話ししました。
さて、信用取引で仮に200万円の株式売買をしたい場合は、最低いくらの委託保証金が必要になるのでしょうか?
答えは60万円です。
委託保証金は、約定代金の30%が最低必要なのです。
しかし信用取引を始めたけれど、株価の予想に反する動きによって委託保証金に損失を出し、この30%を割ってしまったらどうなるのでしょうか?
答えは30%を割っても大丈夫です。
しかし20%(最低保証金維持率)を割ってしまえば、追加で委託保証金を差し入れるか、取引を決済しなければなりません。
(※最低保証金維持率は、証券会社によって違う場合がありますので、注意して下さい。)
■追証(おいしょう)
委託保証金が20%(最低保証金維持率)を割ってしまった場合、追証というものが発生します。
まず、取引を決済するか、それとも継続するかを決めなければなりませんが、継続する場合は、指定日までに委託保証金を追加することが必要です。
追加の委託保証金を差し入れ、20%以上に回復したならば、そのまま取引を継続することが出来るのです。
それをしない場合は、証券会社の判断で決済されてしまいます。
そうならないためにも、委託保証金は余裕を持って入れておきましょう。
それと前にもお話ししましたが、委託保証金には現金の他に、保有の株式を差し入れることも可能です。
仮に差し入れた株の株価が下落すれば、当然委託保証金も減少しますので、20%を割れた場合には追証が発生します。
■信用取引の決済
信用取引の決済は、普通の場合は反対売買によって行われます。
つまり、信用取引の買いの場合にはその株を売ることによって、信用取引の売りの場合にはその株を買い戻すことによって、決済が行われます。
それにより、取引のときに借りていたお金や株式を、証券会社に返済することになりますね。
その他にも、「現引き」「現渡し」という決済方法があります。
わかりやすく説明しますと、取引のときに証券会社から借りたお金や株式を、反対売買によってではなく、自分で調達して証券会社に返済するというものです。