2020年6月24日に東証マザーズ市場へ上場する「コマースOneホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
コマースOneホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
コマースOneホールディングス |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4496 |
事業内容 |
ECプラットフォーム関連事業 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2006年 |
従業員 |
113名 |
会社HP |
https://www.cm-one.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年6月24日(水) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年6月11日(木)~2020年6月17日(水) |
価格決定日 |
2020年6月18日(木) |
購入申込期間 |
2020年6月19日(金)~2020年6月24日(水) |
同社はEコマース向けソリューションを提供する会社です。
コロナ禍で更にECへの需要が高まる中、ECサイトを構築するためのソリューションを事業者向けに提供し拡大している会社の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.future-shop.jp/case/fs2_series.html)
同社は2006年にECサイトの信頼性を審査・確認・認証を行う「トラストマーク」を付与する会社として設立され、その後現在子会社となっている3社の運営管理を行う持株会社となりました。
同社は中核となる子会社2社が主事業となっています。同社で最も大きい売上構成となっているのがフューチャーショップです。ECサイトを運営する事業者に対して、SaaS形式でECソリューションを提供しています。サービス開始から17年経過し、2019年3月時点で2,468社が利用しています。
次いで売上を稼いでいる子会社はソフテルです。EC用の受注在庫管理ソフトウェアを提供しており、2019年3月時点で226社が利用しています。楽天市場やヤフーショッピング、Amazonといった多店舗展開している事業者の在庫を一括で管理できるなど、安定した利用者を有しています。
創業の元会社である「TradeSafe」は通販サイトの信頼性認証サービスを提供していますが、同社の売上構成に占める割合は小さいです。
今後のEC需要の高まりに対して事業拡大を図っていく方針です。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
128 |
93 |
214 |
1,666 |
1,952 |
経常利益(百万円) |
47 |
3 |
123 |
280 |
357 |
当期純利益(百万円) |
58 |
24 |
130 |
233 |
294 |
純資産額 (百万円) |
484 |
355 |
366 |
900 |
1,273 |
BPS(円) |
42,052 |
23,672 |
24,558 |
230 |
347 |
EPS(円) |
6,222 |
2,534 |
10,797 |
64 |
81 |
自己資本比率(%) |
70.1 |
71.3 |
72.1 |
56.5 |
61 |
ROE(%) |
12 |
5.7 |
36.1 |
30.4 |
27.1 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は成長過程にあります。2018年3月期より連結決算となっていますが、売上高・利益共に増収増益傾向にあります。SaaSモデルのため売上利益は引き続き増加する可能性が高いです。尚、2020年3月期3Q(2019年12月末)の売上高は1,604百万円、経常利益は338百万円と、前期を上回る勢いです。EC需要の高まりから業績向上する可能性が高いです。
配当はこれまで無配で、上場後も引き続き無配の方針です。
公募株数 |
総数534,000株 (内、公募150,000株、売出384,000株) |
OA分 |
80,100株 |
発行済み株数 |
3,761,700株 |
想定価格 |
1,270円(100株単位:13万円) |
仮条件 |
1,400円~1,600円 |
初値予想 |
3,000円~6,000円 |
想定PER |
約16倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
48億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は8億円で、時価総額が48億円とマザーズ上場銘柄としてはやや小ぶり案件です。事業柄サブスクリプションモデルであるため、安定した収益性を評価され買いを集めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
岡本 高彰 |
33.83% |
90日間or1.5倍 |
Asian Asset Acquisition Pte., Ltd. |
25.00% |
90日間or1.5倍 |
(株)フューチャースピリッツ |
14.99% |
90日間or1.5倍 |
(株)オプトホールディング |
11.88% |
90日間or1.5倍 |
星野 裕子 |
5.43% |
90日間or1.5倍 |
越智 哲生 |
2.33% |
90日間or1.5倍 |
北川 輝信 |
2.08% |
90日間or1.5倍 |
熊谷 儀七 |
1.89% |
90日間or1.5倍 |
NIFSMBC-V2006S3投資事業有限責任組合(SMBC VC) |
1.00% |
90日間or1.5倍 |
オリックス(株) |
0.83% |
90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業者である岡本社長で、34%の株式を有しています。2位はシンガポール系の資産管理会社で25%の株主ですが、オーナーにかかるものではないとのことです。その他オプトホールディングやオリックスといった大手企業が出資する他従業員が株式を保有しています。
今回の売出は岡本社長を含めた5者で、384,000株の売出です。フューチャースピリッツやオプトホールディングも一部売却します。
公募によって1.8億円の資金調達を実施し、グループの人材開発費や自社サービスのカスタマイズ等への投資に充てる予定です。
大株主には90日及び公募価格1.5倍のロックアップ制限や継続保有の制限がかかっています。ファンドが一部保有しているので、初値高騰時のエグジットリスクには注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、オーナーや大株主の株式譲渡がメインの案件です。ただし、事業的の成長性が見込めるため、初値には期待したいところです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「コマースOneホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
96.55% |
592,900株 |
幹事 |
みずほ証券 |
0.86% |
5,300株 |
いちよし証券 |
0.86% |
5,300株 |
|
松井証券 |
0.86% |
5,300株 |
|
SBI証券 |
0.86% |
5,300株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
アフターコロナでは店頭での購入からネット通販が主流になってくる可能性が高く、中小企業の小売店でもネット販売を進めていきたいと考えている事業者が多くなってきます。気軽に使えて月々のランニングコストもある程度抑えることでECサイトをオープンできるため、同社サービスへの需要は高まることが期待できます。初値動向に注視したいです。
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