2020年6月24日に東証マザーズ市場へ上場する「フィーチャ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
フィーチャの上場日は!?期待度は?
企業名 |
フィーチャ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4052 |
事業内容 |
画像認識ソフトウェアの開発 |
所在地 |
東京都豊島区 |
設立 |
2005年 |
従業員 |
22名 |
会社HP |
http://ficha.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年6月24日(水) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2020年6月9日(火)~2020年6月15日(月) |
価格決定日 |
2020年6月16日(火) |
購入申込期間 |
2020年6月17日(水)~2020年6月22日(月) |
同社は画像認識ソフトウェアを開発する会社です。
主に自動車向けへのニーズが高く、近年成長している分野です。AI技術を用いるなど注目を集めるIPO案件といえます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://ficha.jp/technology/adas.html)
同社は2005年に元キヤノン出身の脇健一郎現代表取締役社長によって設立された会社です。創業当初はレンズ検査事業を行っていましたが、その後紆余曲折あり、2012年に参画した現CTOの曹暉氏と共同で、画像認識技術をベースとして現在のビジネスモデルで再スタートしました。
曹氏は名古屋大学大学院卒業後、理化学研究所や豊田中央研究所にて物体認識に関する研究を行い、画像認識技術を有しています。
同社は車載カメラやドライブレコーダー向けのADAS(運転手操作支援システム)用の組み込みソフトウェア開発を中心に事業を行っています。
特にAIを用いた画像認識ソフトウェアの開発に注力しており、自動運転のために必要な画像認識技術を自動車メーカーや車載カメラメーカーに対して提供し、その受託開発費用を売上としています。
この先自動運転の時代が来ると言われている中、カメラが目であれば、ソフトウェアは脳となり、非常に重要な位置づけとなります。同社はその脳となるためのソフトウェアの開発改良に取り組んでいます。
現在日本と中国子会社で事業を行っています。
売上や成長性は?
|
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
2018年6月期 |
2019年6月期 |
売上高(百万円) |
86 |
93 |
84 |
210 |
282 |
経常利益(百万円) |
2 |
△5 |
△28 |
51 |
△6 |
当期純利益(百万円) |
2 |
△6 |
△28 |
43 |
△8 |
純資産額 (百万円) |
△7 |
87 |
108 |
395 |
386 |
BPS(円) |
△5,242 |
△8,259 |
△25,764 |
0 |
△1 |
EPS(円) |
1,558 |
△4,011 |
△18,021 |
8 |
△2 |
自己資本比率(%) |
△22.9 |
72.2 |
72.5 |
90 |
86 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
16.9 |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はまだまだ成長過程にあります。売上高は2018年6月期より急増しており、今後も伸びる模様です。経常利益については黒字と赤字を行き来している状況です。尚、2020年6月期3Q(2020年3月末)の売上高は312百万円、経常利益は75百万円と、前期を上回る決算が予想されます。今後の自動運転の流れでは引き続き期待が持てそうです。
配当はこれまで無配で、上場後も引き続き無配の方針です。
公募株数 |
総数580,000株 (内、公募150,000株、売出430,000株) |
OA分 |
87,000株 |
発行済み株数 |
5,409,000株 |
想定価格 |
470円(100株単位:5万円) |
仮条件 |
470円~520円 |
初値予想 |
2,000円~5,000円 |
想定PER |
なし |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
25億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3億円で、時価総額が25億円とマザーズ上場銘柄としては小ぶり案件です。流動性の観点からも注目を集めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
曹 暉 |
32.23% |
180日間 |
王 潞 |
21.53% |
180日間 |
脇 健一郎 |
17.92% |
180日間 |
惠州市德赛西威汽车电子股份有限公司 |
9.92% |
180日間 |
NVCC7号投資事業有限責任組合 |
5.13% |
90日間or1.5倍 |
㈱SMBC信託銀行(特定運用金外信託口 契約番号12100440) |
4.96% |
90日間or1.5倍 |
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 |
4.11% |
90日間or1.5倍 |
名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー1号投資事業有限責任組合 |
1.97% |
90日間or1.5倍 |
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 |
1.01% |
90日間or1.5倍 |
横田 和之 |
0.20% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主はCTOの曹氏で、32%の株式を有しています。2位は中国子会社の総経理である王氏で22%の株主です。脇社長は18%で第3位です。
経営トップ3人で72%を保有しており、その他はファンドや取引先で所有されています。
今回の売出は脇社長と曹氏の2名で、43万株の売出です。
公募によって0.6億円の資金調達を実施し、システム開発やAI研究のための人材採用費に充てる予定です。大株主には180日もしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップ制限や継続保有の制限がかかっています。ファンドが2割程度を占めているため、エグジットリスクには注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、オーナーの株式の譲渡がメインの案件です。ただし、事業的な評価が高いため、初値には期待したいところです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「フィーチャ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
86.96% |
580,000株 |
幹事 |
大和証券 |
4.35% |
29,000株 |
水戸証券 |
1.74% |
11,600株 |
|
極東証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
みずほ証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
エース証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
5,800株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
5,800株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他大和証券を含めた10社が幹事を務めます。
著者のまとめ
自動運転やAIといった市場人気の高い案件の上場となります。コロナ禍によってIPOにも影響がでていましたが、ようやく落ち着いた状況での初IPO銘柄となります。初値には期待したいところです。