2020年6月29日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「エブレン」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
エブレンの上場日は!?期待度は?
企業名 |
エブレン |
上場市場 |
東証JQスタンダード |
銘柄コード |
6599 |
事業内容 |
産業用電子機器・工業用コンピュータの設計・製造・販売 |
所在地 |
東京都八王子市 |
設立 |
1973年 |
従業員 |
96名 |
会社HP |
https://ebrain.co.jp/ |
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2020年6月29日(月) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年6月11日(木)~2020年6月17日(水) |
価格決定日 |
2020年6月18日(木) |
購入申込期間 |
2020年6月19日(金)~2020年6月24日(水) |
同社は産業用電子機器や工業用のコンピュータの設計製造を行う会社です。
産業用コンピュータ向けのバックプレーンの専業メーカーとして創業約50年の実績を持つ会社の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://ebrain.co.jp/product/)
同社は1973年に現社長の上村正人氏を中心に創業した会社です。当時は産業用コンピュータ機器の設計・製造を行ってきましたが、1986年から自社開発のバックプレーン(回路基板)の製造をスタートし、バックプレーンの専業メーカーとして拡大してきました。
一般のコンピュータ利用の環境に比べ、使用環境が過酷なケースが多いため、求めるスペックと駆動に合わせたバックプレーンを製造する必要があり、同社は独自開発のノウハウを生かした回路基板を提供しており、業界でも注目を集める存在です。
自社工場にて一気通貫で製造を行うことができるため、ファブレス型経営を行う会社が増える中、独自の事業戦略を取っています。IoTや5Gへの需要が高まる中、顧客に合わせたハードウェア開発ができる体制を構築するために、IPOを行うことで資金調達と信用度向上へ繋げる狙いです。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
2,555 |
2,377 |
2,711 |
3,604 |
3,309 |
経常利益(百万円) |
217 |
139 |
235 |
362 |
388 |
当期純利益(百万円) |
81 |
289 |
147 |
255 |
261 |
純資産額 (百万円) |
2,041 |
2,307 |
2,438 |
2,732 |
2,906 |
BPS(円) |
1,431 |
1,629 |
1,728 |
1,936 |
2,127 |
EPS(円) |
56 |
204 |
104 |
181 |
186 |
自己資本比率(%) |
65.5 |
69.2 |
65.5 |
65.3 |
70.8 |
ROE(%) |
4 |
13.3 |
6.2 |
9.8 |
9.3 |
配当性向(%) |
13.3 |
3.7 |
9.6 |
5.6 |
5.6 |
業績は横ばいの状況にあります。2018年3月期より連結決算となっていますが、2019年3月期は減収増益となっています。市場からのニーズは高いものの、クライアントの発注によって左右されるため、引き続きどのように成長するかには注意が必要です。尚、2020年3月期3Q(2019年12月末)の売上高は2,412百万円、経常利益は241百万円と、前期の数字を上回るか否かの状況です。4Qの業績は新型コロナウイルスの影響を受けている可能性はあります。
配当はこれまで出してきており、上場後も内部留保を確保しながらも配当を出していく方針です。
公募株数 |
総数269,900株 (内、公募142,900株、売出127,000株) |
OA分 |
40,400株 |
発行済み株数 |
1,536,000株 |
想定価格 |
1,050円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,200円~1,350円 |
初値予想 |
2,000円~4,000円 |
想定PER |
約6倍 |
想定PBR |
約0.6倍 |
配当利回り |
約1% |
想定時価総額 |
16億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3億円で、時価総額が16億円とジャスダック上場銘柄としては小ぶり案件です。地味な業種ではあるものの、PERやPBRが割安であるため、バリュー株投資家向けに投資を集めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
上村 正人 |
46.93% |
90日間 |
カーム(有) |
18.30% |
90日間 |
熊谷 尚登 |
5.64% |
90日間 |
小林 寛子 |
4.39% |
90日間 |
髙橋 武志 |
3.66% |
90日間 |
藤野 正美 |
3.29% |
90日間 |
エブレン社員持株会 |
2.94% |
180日間 |
菊水電子工業(株) |
2.20% |
90日間 |
上村 和人 |
1.72% |
90日間 |
上村 宏子 |
1.72% |
90日間 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業メンバーである上村社長で、47%の株式を有しています。2位は上村社長の資産管理会社で18%の株主で、上村社長で65%を有しています。上村家では3分の2以上を保有しています。
その他従業員や取引先が株式を保有しています。
今回の売出は上村社長を含めた2名で、127,000株の売出です。
公募によって1.5億円の資金調達を実施し、半導体製造装置関連の新規事業向けの設備資金に充てる予定です。
大株主には90日及び180日のロックアップ制限がかかっています。ファンドの保有がないため初値高騰が期待できます。
今回は公募がやや売出を上回る資金調達案件で、新規事業投資に向けた資金調達となるため、今後の事業拡大に期待した買いに期待できます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「エブレン」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
98.32% |
305,100株 |
幹事 |
いちよし証券 |
0.84% |
2,600株 |
マネックス証券 |
0.84% |
2,600株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他いちよし証券を含めた2社が幹事を務めます。
著者のまとめ
創業50年を迎える中堅企業の上場となります。バックプレーンといった独自性のある産業用コンピュータ向け製品を開発しており、今後も安定した事業成長が見込めそうです。IPOを機に新規事業として半導体製造装置関連事業を進めていくため、今後の成長と拡大に期待したいところです。