【著名な投資家|ジム・ロジャーズ】
ジム・ロジャーズは、ジョージ・ソロスと組んでクォンタム・ファンドを設立し、驚異的な成果を上げた投資家である。
1942年、ジムは米国アラバマ州で5人兄弟の長男として生まれた。彼は幼いころからビジネスに携わるチャンスを得ていた。5歳のころ、野球の試合会場で空きビン拾いでお金を稼ぐことを覚えた。そして6歳のころにはすでに、ビジネスの世界に足を踏み入れている。
まだ6歳のジムは、地元のリトルリーグの試合会場でソフトドリンクとピーナッツを売る営業許可をもらい、ピーナッツを炒る機械を買うために父親から100ドルの借金をした。その5年後には、借金を返済してもまだ100ドルが手元に残るほど稼ぎ出した。
そして、この100ドルを元手に父親とともにロジャーズ&サンという投資グループを始めたのだが、この運用のほうは残念ながら失敗に終わっている。
ジムは地元の高校を首席で卒業し、奨学金をもらってイェール大学に入学。メディカル・スクールやロー・スクール、ビジネス・スクールに興味を抱くなど、大変な勉強家だった。1964年の夏には、ウォール街にあこがれて投資銀行ドミニク&ドミニク社でアルバイトをしている。
イェール大学卒業後は、奨学金をもらって英国オックスフォード大学に入学し、政治、哲学、経済を学んでいる。彼は奨学金を授業料納付期限までのあいだに株投資で運用をしており、これは夏季アルバイトで学んだ運用方法を取り入れたものだった。
オックスフォード卒業後、数年間は軍隊にいたが、ここでも指揮官のお金を運用するなどの実績をあげたことから、ニューヨークにもどってウォール街で働くことを決意している。
1973年には、ジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを設立して多角的な運用を行い、10年ほどで3,365%の驚異的な運用成績をあげた。この間、休む間もなく働いたことで成果を出したのだが、私生活においては二度の結婚生活を破たんさせている。
1980年、若干37歳でウォール街での仕事から引退する。その後、コロンビア大学ビジネス・スクールの客員教授を務めている。
若いうちに巨額の富を得たことや、働きすぎた10年間から解放されたように、ジムは趣味のバイクで世界中を走り回るという壮大な計画を実践した。
現在は家族(3度目の結婚で)とともにシンガポールに移住し、テレビの投資番組に出演して独自の切り口でウォール街に提言するなどして、今なお多くのファンを魅了し続けている。
参考図書:『大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く』 ジム・ロジャーズ 著