現在、世界で電力を使えない人は7億5900万人いると言われています。SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」では2030年までに、だれもが安い値段で、安定的で現代的なエネルギーを使えるようにすることを目標としています。また、二酸化炭素を排出しない、太陽光、風力、地熱などを利用した再生可能なエネルギーの割合を増やして行きます。
東レの名前で知られる東レ株式会社は、1926年に東洋レーヨンとして設立された合成樹脂や合成繊維を開発している会社です。例えばロケットやF1カーのボディに使われる、カーボンなど軽量で強じんな素材を作っておりさまざまな成功や発展に貢献しています。
製造業を営む企業にとっては二酸化炭素の排出量は避けることのできない課題です。今回の記事では東レが取り組んでいるSDGsを紹介して行きます。
水素技術の研究と開発
東レでは次世代燃料である水素の研究開発に力を入れています。水素は酸素と結合することでエネルギーを生成できますが排出されるのは水のみです。水素抽出時に太陽発電や風力発電などのグリーンエネルギーを用いることで完全な脱炭素を実現します。東レはグリーン電力を用い水素の製造と貯蔵を目指す「Power to Gas」システム開発に取り組んでいます。
次世代太陽電池の開発
東レは薄型の太陽電池の開発に取り組んでいます。従来のパネル型よりも光の吸収値が高く、室内でも使用可能です。1μm（マイクロメートル）の極薄素材で衣服への利用や壁への貼り付けなどさまざまな用途で利用することが考えられます。
サトウキビからのエネルギー創出
東レではサトウキビを利用した再生可能なエネルギーの創出に取り組んでいます。サトウキビの糖を発酵させ蒸留することでエタノールを生成します。また、サトウキビの搾りかすはバガスと呼ばれ、糖を加工する際にボイラーの熱源として利用されています。これ自体は既存の技術ですが東レではバガスに含まれる不純物を取り除き、ボイラー以外のエネルギー源として利用できる水処理分離膜技術を開発しており、エネルギーの低コスト化に成功しています。
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