2020年3月9日に東証1部市場へ上場する「フォーラムエンジニアリング」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
フォーラムエンジニアリングの上場日は!?期待度は?
企業名 |
フォーラムエンジニアリング |
上場市場 |
東証1部 |
銘柄コード |
7088 |
事業内容 |
エンジニア人材の派遣事業・紹介事業 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
1981年 |
従業員 |
4,953名 |
会社HP |
https://www.forumeng.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年3月9日(月) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年2月25日(火)~2020年2月27日(木) |
価格決定日 |
2020年2月28日(金) |
購入申込期間 |
2020年3月2日(月)~2020年3月5日(木) |
同社はエンジニア人材の派遣事業および紹介事業を行う会社です。
業界でも老舗のエンジニア派遣会社であり、知名度のある会社の上場となります。東証1部へ直接上場となるため規模感のある上場案件です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.forumeng.co.jp/service/college/)
同社は1981年に東京で創業したエンジニア派遣事業を行う会社です。2020年1月現在1,429事業所に対して4,352名のエンジニアを派遣している業界大手の派遣会社であります。
エンジニア派遣事業のターゲットとしているクライアントは、機械・電気系の主要8業種(自動車・輸送用機械・産業用機械・精密機器・電気機器・家電・電子部品・情報通信)を営む事業会社で、設計や生産開発、その他品質保証等、幅広い技術職に対する人材派遣を行えるよう人材採用を行っています。
同社はクライアントの要望に対して適切に対応するべく、AIを活用したスキルベースマッチングシステムを活用し、自社エンジニアのスキルと企業側が求めるスキルとのマッチングを実施できるような体制を構築することで安定的な稼働率を確保しています。
また、独自ルートの人材採用を行っており、安定的な派遣を行うための人材確保に努めています。
エンジニアの人材派遣および紹介事業に特化した事業運営を約30年運営してきた会社ですが、今回は株式売出によってパブリックな会社となる形をとったようです。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
30,652 |
31,928 |
33,442 |
34,496 |
34,591 |
経常利益(百万円) |
3,324 |
3,893 |
5,234 |
6,182 |
6,342 |
当期純利益(百万円) |
2,482 |
△304 |
3,402 |
4,034 |
4,233 |
純資産額 (百万円) |
7,229 |
6,031 |
8,556 |
10,811 |
12,913 |
BPS(円) |
81,445 |
67,944 |
96,394 |
406 |
485 |
EPS(円) |
27,968 |
△3,421 |
38,324 |
152 |
159 |
自己資本比率(%) |
53.2 |
40.5 |
53.6 |
67.1 |
72.2 |
ROE(%) |
33.2 |
– |
46.6 |
41.7 |
35.7 |
配当性向(%) |
42.9 |
– |
52.2 |
52.8 |
52.8 |
業績は好調です。売上高と経常利益は共に右肩上がりで、エンジニア派遣のニーズを背景に好調な業績を見せています。尚、2020年3月期3Q(2019年12月末)売上高は24,363百万円、経常利益は3,492百万円となっています。前年度の決算に対する進捗率が下回っており(売上高70%、経常利益55%)、今期の業績への期待感はやや薄い状況です。
配当はこれまでも出してきており、上場後も引き続き配当を出していく方針です。前期は配当性向52.8%でしたが、上場後は60%を目標に出していく方針で、想定される配当利回りは6%程度を予想しています。
公募株数 |
総数9,673,600株 (内、公募0株、売出9,673,600株) |
OA分 |
674,800株 |
発行済み株数 |
26,627,700株 |
想定価格 |
1,310円(100株単位:13万円) |
仮条件 |
1,310円~1,400円 |
初値予想 |
1,200円~1,400円 |
想定PER |
約8倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
6.4% |
想定時価総額 |
348億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は135億円で、時価総額が348億円とここまでの2020年上場案件では最大の時価総額となります。業績の面や規模を考えると人気化はしにくく、公募割れのリスクもあります。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
㈱ラテール・エンタプライズ |
45.98% |
180日間 |
松波 方祐子 |
27.01% |
180日間 |
大久保 泉 |
7.20% |
180日間 |
佐藤 勉 |
4.75% |
180日間 |
松波 宏紀 |
3.24% |
180日間 |
本畑 弘人 |
1.92% |
180日間 |
オーガスト・イールド・リミテッド |
1.92% |
180日間 |
小南 渉 |
0.96% |
180日間 |
秋田 秀樹 |
0.29% |
180日間 |
石毛 勇治 |
0.29% |
180日間 |
同社の大株主は、創業者である大久保泉元社長の資産管理会社である「㈱ラテール・エンタプライズ」で全体の46%を保有しています。また大久保氏は個人で7%を保有しているため、過半数を保有するオーナーです。第2位と第5位の松波氏は大久保氏の親族となります。
その他、同社の役員および従業員で構成されており、ファンド等は入っていない様子です。
今回の売出は㈱ラテール・エンタプライズを含めた8者で、4,499,400株の売出です。ラテール・エンタプライズは保有株の4分の1程度の売却となるため、創業者である大久保氏の影響度は過半数以下となる見込みです。
今回は公募を実施しません。大株主には180日のロックアップが掛かっており、上場直後のエグジットリスクは少ないです。
今回は売出のみのエグジット案件で、創業家保有の株式の影響度を引き下げるための事業承継案件です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「フォーラムエンジニアリング」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
82.61% |
4,274,400株 |
幹事 |
みずほ証券 |
8.70% |
449,900株 |
SBI証券 |
8.70% |
449,900株 |
|
大和証券 |
1.74% |
35,700株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた3社が幹事を務めます。
著者のまとめ
老舗のエンジニア派遣業の会社ですが、規模面を含めても人気化はしにくい状況で、場合によっては公募割れも見据えています。ただし、PERが8倍台と割安水準での上場であり、高配当銘柄となる可能性が高い点から上場後の動きには要注目です。
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