2018年12月25日に東証マザーズ市場へ上場する「リンク」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
リンクの上場日は!?期待度は?
企業名 | リンク |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4428 |
事業内容 | 自動発注・在庫最適化ソフト「sinops」の開発・販売 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 1987年 |
従業員 | 58名 |
会社HP | https://www.sinops.jp/ |
監査法人 | 太陽 |
上場日 | 2018年12月25日(火) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2018年12月6日(木)~2018年12月12日(水) |
価格決定日 | 2018年12月13日(木) |
購入申込期間 | 2018年12月17日(月)~2018年12月20日(木) |
同社は小売店向けの需要予測自動発注システムを提供する企業です。
最適な在庫管理を行うことが求めらている今日の小売業のニーズに応える製品の開発を行っており、上場による知名度向上に努めるべく上場して参ります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.sinops.jp/)
同社は1987に現社長の南谷浩氏が創業した会社です。創業当初は画像処理装置の生産および販売を行っていましたが、1996年に物流最適化システムを販売開始から、卸売および小売向けの在庫管理システムへ事業をシフトさせていきました。
現在、在庫の最適化を行うソフトウェアパッケージ群を「sinops(シノプス)シリーズ」として展開しており、小売・卸売・製造業向けのパッケージの提供を行っています。
現在タブレット等で棚卸が簡単にできるシステムや、自動で商品の発注を行うシステムを開発しており、パッケージとしての提供及びレンタルを行っています。
特に自動発注システムはAIを活用したものであり、日々精度を高めている状況です。
売上や成長性は?
2013年12月期 | 2014年12月期 | 2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | |
売上高(百万円) | 360 | 424 | 516 | 738 | 838 |
経常利益(百万円) | 2 | 18 | 22 | 110 | 150 |
当期純利益(百万円) | 3 | 13 | 8 | 71 | 108 |
純資産額 (百万円) | 40 | 53 | 61 | 199 | 319 |
BPS(円) | 89,088 | 118,166 | 136,148 | 196 | 308 |
EPS(円) | 7,405 | 29,078 | 17,982 | 75 | 109 |
自己資本比率(%) | 18.5 | 17.1 | 23.3 | 40.4 | 50.7 |
ROE(%) | 7 | 28.1 | 14.1 | 55.5 | 43.3 |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ |
同社の業績は右肩上がりに成長させています。売上高および利益は5期連続増収増益を遂遂げており、引き続き成長が見込めます。配当政策は成長投資を行う上での内部留保を優先するため当面は無配を予定しています。
公募株数 | 総数248,0000株 (内、公募160,000株、売出88,000株) |
OA分 | 37,200株 |
発行済み株数 | 1,152,400株 |
想定価格 | 3,110円(100株単位・31万円) |
仮条件 | 3,380円~3,580円 |
初値予想 | 4,500円~5,500円 |
想定PER | 約33倍 |
想定PBR | 約5倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 36億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は9億円で、時価総額は36億円と比較的小ぶりな案件のため、個人投資家を中心に注目を集めそうです。2018年最後の上場案件ということもあり、ご祝儀的な上昇の可能性もあります。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
合同会社南谷ホールディングス | 37.85% | 180日間 |
南谷 純 | 13.25% | 180日間 |
南谷 のどか | 9.46% | 180日間 |
加藤 めぐみ | 9.46% | 180日間 |
南谷 清江 | 7.57% | 180日間 |
南谷 浩 | 6.81% | 180日間 |
情報技術開発(株) | 1.89% | |
(株)日本アクセス | 1.89% | |
リンク社員持株会 | 0.76% | 180日間 |
西巻 昌美 | 0.57% | 180日間 |
大株主は、創業社長の南谷浩社長一族の資産管理会社「合同会社南谷ホールディングス」で同社株の38%を有します。第2位から第4位までは社長の親族が名を連ねており、社長の分を合わせると全体の84%は一族で保有していることになります。
その他取締役および従業員が株式を保有していますが、一部取引先で大手食品卸の株式会社日本アクセスも株主に名を連ねています。
大半の大株主には180日のロックアップ制限がかかっているため、南谷一族のエグジットリスクは少ないです。従って需給面のタイトさから大幅上昇が見込めそうです。
今回の売出は南谷社長を含めた一族4者で8.8万株です。
公募によって調達する4.5億円はソフトウェア開発費用と優秀な人材を採用するための採用費に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「リンク」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 87.03% | 248,200株 |
幹事 | 大和証券 | 5.22% | 14,900株 |
みずほ証券 | 3.47% | 9,900株 | |
岩井コスモ証券 | 1.30% | 3,700株 | |
エース証券 | 0.88% | 2,500株 | |
藍澤證券 | 0.42% | 1,200株 | |
エイチ・エス証券 | 0.42% | 1,200株 | |
極東証券 | 0.42% | 1,200株 | |
東洋証券 | 0.42% | 1,200株 | |
むさし証券 | 0.42% | 1,200株 |
今回はネット証券大手のSBI証券が主幹事です。その他ネット証券を含めた中堅証券が幹事会社となっており、個人投資家が獲得できる可能性が高い案件です。ただし公募株数は少ないため獲得できる人数は限られます。
著者のまとめ
2018年最後のIPOとなる同社株は、非常に魅力の高い業種で、順調な業績を背景に大幅高騰が見込めそうな案件です。
在庫ロスが問題となっている小売業においては画期的なシステムを提供している会社であり、同社がIPOによって知名度を上げることはそのような悩みで困っている企業へのアピールにもあり得ます。
いずれにせよ、市場も混とんとしている中の上場ということで、ご祝儀的な買いを集める可能性は大いにあります。今回の上場には大いに期待したいものです。