2020年3月30日に東証マザーズ市場へ上場する「NexTone」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
NexToneの上場日は!?期待度は?
企業名 |
NexTone[ネクストーン] |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7094 |
事業内容 |
著作権など管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション事業、キャスティング・コンサルティング事業など |
所在地 |
東京都渋谷区 |
設立 |
2000年 |
従業員 |
62名 |
会社HP |
|
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2020年3月30日(月) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2020年3月12日(木)~2020年3月18日(水) |
価格決定日 |
2020年3月19日(木) |
購入申込期間 |
2020年3月23日(月)~2020年3月26日(木) |
同社は音楽にかかる著作権管理およびキャスティング事業を行う会社です。
近年のデジタルの流れから、動画配信サイトやストリーミング配信と音楽の利用目的が多様化している中、アーティストが有する著作権を適切に管理し権利料を提供する重要な役割を担う会社として注目されています。
どんなことをしている会社なの?(会社の内容を詳しく)
(参照:https://www.nex-tone.co.jp/copyright/)
同社は2000年に創業した旧㈱イーライセンスの流れを汲んでおります。同じく2000年に設立した㈱ジャパン・ライツ・クリアランス(以下JRC)と共に著作権管理業界で2位、3位という立ち位置で2015年までそれぞれ別々に成長していましたが、1位の一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に対抗するため、2015年に合併し同社が誕生しました。
著作権とは、作者が自身の思想や感情を表現した著作物について独占的に利用することが出来る権利をさします。音楽アーティストの場合、「作詞」「作曲」したものが著作物となります。
これらの著作物を、利用者となるテレビやカラオケ等が利用するためには著作者の了承がなければ利用することができず、利用する場合には利用料を支払う必要があります。
しかしながらこのような管理は非常に難しく、日々多忙となるアーティストがいちいち対応することができないのが現実です。そこで、アーティスト等に変わって著作物の管理を行うのが「著作権管理事業者」で、同社は音楽に関する著作権を管理する業者として文化庁に登録されています。
基本的にはアーティストや音楽出版社より同社が委託を受け、利用者に提供の上利用料を徴収する形となっています。
近年、YouTubeやストリーミング再生などが普及してきたこともあり、同社はデジタル分野で着実に成長しています。
管理の他、管理作品を様々な領域利用促進を図るためのプロモーター的な働きも行い、タイアップやライブビューイングといった多方面で著作物の利用を行うことによって、アーティストに対して利用料を還元しています。
利用者とアーティスト双方にとって良好な関係を構築し、国内で独占的な著作権管理を行ってきたJASRACに対抗するべく業務を展開しています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
1,035 |
1,173 |
1,604 |
2,332 |
3,240 |
経常利益(百万円) |
61 |
47 |
36 |
103 |
186 |
当期純利益(百万円) |
17 |
△153 |
42 |
61 |
130 |
純資産額 (百万円) |
342 |
639 |
793 |
1,209 |
1,344 |
BPS(円) |
59,165 |
60,107 |
69,694 |
447 |
495 |
EPS(円) |
2,921 |
△22,950 |
3,920 |
27 |
48 |
自己資本比率(%) |
56.7 |
49.9 |
49.6 |
45.7 |
42.7 |
ROE(%) |
5.1 |
– |
5.8 |
6 |
10.2 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は順調な成長を遂げています。売上高・経常利益共に伸びており、著作物の管理数が増えることによって更なる拡大が見込めます。尚、2020年3月期3Q(2019年12月末)の売上高は3,181百万円、経常利益は252百万円と、前年業績を早くも上回りそうな状況です。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は内部留保確保のため無配が予定されています。
公募株数 |
総数925,700株 (内、公募375,000株、売出550,700株) |
OA分 |
138,800株 |
発行済み株数 |
3,079,000株 |
想定価格 |
1,880円(100株単位:19万円) |
仮条件 |
1,500円~1,700円 |
初値予想 |
1,800円~3,000円 |
想定PER |
約45倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
58億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は20億円で、時価総額が58億円とマザーズ上場銘柄としては中規模案件です。業種柄伸びていきそうな印象があるため初値高騰も狙えるでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株) |
26.48% |
180日間 |
(株)フェイス |
10.05% |
180日間 |
(株)アミューズ |
10.05% |
180日間 |
(株)JRCホールディングス |
8.63% |
180日間 |
三野 明洋 |
8.25% |
180日間 |
(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント |
4.42% |
180日間 |
(株)創通 |
3.95% |
180日間 |
(株)博報堂DYメディアパートナーズ |
3.35% |
180日間 |
(株)コーエーテクモゲームス |
3.01% |
180日間 |
(株)インターネットイニシアティブ |
2.34% |
|
同社の株主構成ですが、大手レーベルのエイベックス子会社が同社株の26%を有しており、現時点でエイベックスの持分法適用会社となっています。その他大株主には同業種の大手企業を中心に株主が構成されています。
今回の売出はエイベックス・ミュージック・パブリッシング㈱を含めた5者で、550,700株の売出です。
公募によって6.4億円の資金調達を実施し、各種システム開発投資や人材採用費、オフィス増床費用に充てる予定です。大株主には180日のロックアップ制限がかかっています。目先のエグジットリスクは非常に少ないです。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、エイベックスの持分法適用関連会社から外れる形となるため、よりパブリックな会社となる点では評価できます。実際同社管理のエイベックス作品は11%となっており、そこまで高いシェアとは言えませんので上場後も問題ないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「NexTone」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
96.54% |
1,027,700株 |
幹事 |
岡三証券 |
0.86% |
9,200株 |
東海東京証券 |
0.86% |
9,200株 |
|
SBI証券 |
0.86% |
9,200株 |
|
マネックス証券 |
0.86% |
9,200株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他岡三証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ビジネスモデルとしてはこれまでの上場案件にはなく新鮮な印象で、初値高騰は十分に期待できるでしょう。売上高の31%が米・アップルの「iTunes」、17%が米・アルファベットの「YouTube等」から生まれていることから、デジタル配信の伸びによる著作権利用料の増加が見込まれるため、引き続き期待の会社となりそうです。
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