【3612】WORLD[ワールド]新規上場で気になる株価は!?

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2018年9月28日に東証1部市場へ上場する「WORLD[ワールド]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。

WORLD[ワールド]の上場日は!?期待度は?

企業名 WORLD[ワールド]
上場市場 東証1部市場
銘柄コード 3612
事業内容 婦人・紳士・子供服等の企画販売等
所在地 兵庫県神戸市
設立 1959年
従業員 11,174名
会社HP http://corp.world.co.jp/
監査法人 PwCあらた
上場日 2018年9月28日(金)
主幹事 野村證券
BB期間 2018年9月11日(火)~2018年9月14日(金)
価格決定日 2018年9月18日(火)
購入申込期間 2018年9月19日(水)~2018年9月25日(火)

同社はSPAモデルを用いた衣料小売り事業を展開する企業です。

本社のある兵庫県神戸市において高い知名度を有している企業であり、1993年から2005年まで株式上場をしていたものの、MBOによって一度上場廃止となっている企業です。

再上場案件の市場における評価は高くないため、難しい船出になることが想定されます。

どんなことをしている会社なの?

(参照:http://corp.world.co.jp/business/domestic_business.html)

同社は1959年に創業した婦人服衣料卸売会社です。

同社は早くよりSPAモデルを確立させており、自社でデザインや企画の上、国内外の協力工場に製造を委託し、自社店舗で販売するといった一連サイクルを引っ提げております。

現在同社のブランドは56ブランド、全国2,488店舗を展開しています。百貨店や駅ビル、ロードサイド店やショッピングセンターなど多数のチャネルで自社ブランドを販売しているのが特徴です。

1993年に旧大阪証券取引所2部に上場し、1999年には東証1部上場を果たしましたが、当時の市況悪化に伴い事業ポートフォリオの再構築が必要と考えていた経営陣によって2005年にMBOが実施され、上場廃止となりました。非上場後は積極的な事業ポートフォリオの再構築を進め、EC事業を含めたデジタル分野への投資を加速させています。

事業基盤が構築した今日に再上場を行うことで、より強固な地盤を持った経営を進めていけるという戦略です。

売上や成長性は?

2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期
売上高(百万円) 281,555 268,077 244,585 249,983 245,829
経常利益(百万円) 4470 495 △1,636 12,066 13,225
当期純利益(百万円) 52 △1,455 △5,187 8,150 6,743
純資産額 (百万円) 25,239 15,833 9,537 20,338 26,995
BPS(円) 31 15 △62 225 296
EPS(円) △4 △18 △65 90 75
自己資本比率(%) 14 9 6 10.5 13.3
ROE(%) 0 49.4 28.5
配当性向(%)

同社の業績はいまいちという表現が正しいでしょう。売上高は下降傾向にあります。また当期純利益については2015年3月期と2016年3月期の2期連続で赤字を計上したものの、直近2期は黒字に戻っています。社歴が長い会社ということもあり、市場ではあまり好感されない案件でしょう。配当政策については、当面の間は内部留保を優先し、無配を予定しています。

公募株数 総数16,683,000株             (内、公募14,850,000株、売出1,833,000株)
OA分 1,809,000株
発行済み株数 36,199,965株
想定価格 3,630円(1株単位・36万円)
仮条件 2,900円~3,200円
初値予想 2,500円~3,500円
想定PER 約19倍
想定PBR 約2倍
配当利回り 未定
想定時価総額 1,314億円

今回の上場にあたっての吸収金額は671億円と大きすぎるため、初値でこける可能性は高くなっています。

株主名 保有割合 ロックアップ
UDSコーポレート・メザニン2号投資事業 29.46%
寺井 秀藏 9.84% 180日間
小泉 敬三 8.66% 180日間
畑崎 重雄 7.43% 180日間
合同会社ケイ・エム興産 3.63% 180日間
合同会社エイ・ティ興産 3.63% 180日間
合同会社ワイ・アール興産 3.63% 180日間
合同会社イー・エイチ興産 3.05% 180日間
ワールドグループ従業員持株会 2.90% 180日間
上山 健二 2.34% 180日間

大株主は日本政策投資銀行と三井住友銀行が共同出資にて運営するPEファンドであるUDSコーポレート・メザニン2号投資事業が筆頭株主で29%を保有しています。MBOをした経緯もあったため、いくつかのPEファンドを経由して現在の株主となっています。ただし同ファンドの株式には議決権が付与されておらず、同社の筆頭株主は現会長の寺井秀蔵氏となります。

売出は寺井会長と他5名で、183.3万株です。PEファンドが売却しないため、上場後の売却がどのようにされるのかが気になるところです。

また今回の公募総数は14,850,000株ですが、その内国内募集が10,227,000株、海外募集が4,623,000株となっており、外国人投資家への配分もあります。

公募によって調達する351億円は事業拡大における資金に充てられる予定です。

どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?

今回の「WORLD[ワールド]」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。

割当率 株数
主幹事 野村證券 73.91% 10,251,100株
幹事 SMBC日興証券 10.43% 1,447,200株
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 10.43% 1,447,200株
みずほ証券 4.52% 627,100株
SBI証券 0.70% 96,400株

今回は野村證券が主幹事を務めています。その他大手証券会社が名を連ねていますが、IPO銘柄としての魅力は非常に薄いため、人気化するとは思えません。

著者のまとめ

再上場案件かつ、成長性が疑われている衣料小売り業界という点から同社株のIPOについての初値はいかがなものかという気持ちです。

正直参加するのは避けたいところです。ただ衣料分野から離れて投資事業を行っている同社ですが、クラウドファンディング事業の会社に投資をするなど別事業での成長は見込めそうです。

様子を見てからの参加という形が望ましいかと思います。

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