2021年6月10日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「テンダ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
テンダの上場日は!?期待度は?
同社はシステム開発及びゲームコンテンツ事業を手がける会社です。
DX化の流れに寄り添ったビジネスを展開しており、同日に上場するワンダープラネットと共に初値が期待できる銘柄のIPOです。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | テンダ |
上場市場 | 東証JQスタンダード |
銘柄コード | 4198 |
事業内容 | ITソリューション事業、ビジネスプロダクト事業、ゲームコンテンツ事業 |
所在地 | 東京都豊島区 |
設立 | 1995年 |
従業員 | 219名 |
会社HP | https://www.tenda.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年6月10日(木) |
主幹事 | いちよし証券 |
BB期間 | 2021年5月25日(火)~ 2021年5月31日(月) |
価格決定日 | 2021年6月1日(火) |
購入申込期間 | 2021年6月2日(水)~ 2021年6月7日(月 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.tenda.co.jp/business/product-service.html)
同社は1995年に外資系コンピューターメーカー出身の小林謙氏によって設立された会社です。
創業来SES事業を中心にエンジニア派遣や自社プロダクトの開発を行ってきました。特にホワイトカラー向けの業務効率改善に寄り添った業務ツールの開発に強みがあります。
同社の事業セグメントはITソリューション事業、ビジネスプロダクト事業、ゲームコンテンツ事業の3セグメントで事業を行っています。
まずITソリューション事業は創業来のSES事業であり、SIer向けにエンジニア派遣やシステム開発請負を行っています。
ビジネスプロダクト事業では、自社プロダクトであるマニュアル自動作成ソフト「Dojo(どーじょー)」をはじめとしたシステムの提供を手がけています。現在2,600社が導入しています。
また、ゲームコンテンツ事業ではコンテンツプロバイダーとして自社タイトルや受託開発請負を手がけています。
DX化に進む会社が多い中、同社への需要も高まっており、上場によって更なるエンジニア確保や知名度向上による事業拡大に向けて尽力する模様です。
2016年5月期 | 2017年5月期 | 2018年5月期 | 2019年5月期 | 2020年5月期 | |
売上高(百万円) | 2,038 | 2,180 | 2,549 | 2,548 | 3,194 |
経常利益(百万円) | 92 | 71 | 158 | 167 | 298 |
当期純利益(百万円) | 75 | △7 | 96 | 111 | 205 |
純資産額 (百万円) | 152 | 446 | 542 | 535 | 810 |
BPS(円) | 76,074 | 222,804 | 271,008 | 303 | 439 |
EPS(円) | 37,671 | △3,682 | 48,152 | 60 | 113 |
自己資本比率(%) | 20 | 34 | 36 | 47 | 44.3 |
ROE(%) | 63.5 | – | 19.5 | 18.6 | 30.5 |
配当性向(%) | 10.6 | – | 16.6 | 16.1 | 17.1 |
業績は概ね右肩上がりに成長させている印象です。足元では売上・利益共に成長しているため、大きな心配はないでしょう。
尚、2021年5月期3Q(2021年2月)の売上高は2,175百万円、経常利益は251百万円と推移しており、コロナ禍における業績不振に喘ぐ会社が多い中、前期決算を上回る好業績を続けているといえます。
配当はこれまでも出してきており、上場後も内部留保確保しつつも配当を出していく方針です。なお、前期配当利回りは0.6%程度で、概ね同等水準の配当が期待されます。
公募株数 | 総数385,000株 (内、公募280,000株、売出105,000株) |
OA分 | 57,700株 |
発行済み株数 | 2,123,000株 |
想定価格 | 3,250円(100株単位:33万円) |
仮条件 | 3,050円 ~3,250円 |
初値予想 | 4,500円 ~7,000円 |
想定PER | 約34倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | 0.6% |
想定時価総額 | 69億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は14.3億円で、時価総額が69億円と東証ジャスダック上場銘柄としては中型案件です。ただ、足元のDX関連銘柄として注目される可能性がありますので、初値高騰には期待できそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
(株)KFC | 58.61% | 180日間or1.5倍 |
小林 謙 | 12.27% | 180日間or1.5倍 |
中村 繁貴 | 7.79% | 180日間or1.5倍 |
加藤 善久 | 7.04% | 180日間or1.5倍 |
小林 まり子 | 5.03% | 180日間or1.5倍 |
(株)博報堂プロダクツ | 3.87% | 継続保有 |
林 貢正 | 0.96% | 180日間or1.5倍 |
松下 貴弥 | 0.75% | 180日間or1.5倍 |
富澤 和宏 | 0.35% | 継続保有 |
堀 学 | 0.30% |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は代表取締役の小林氏の資産管理会社で同社株の59%を保有しています。個人所有分の12%を合わせると3分の2以上を保有するオーナーです。その他、従業員や役員を中心に保有されており、資本提携を行った博報堂プロダクツ以外に事業会社やVCの名前はありません。
今回の売出は小林社長を含めた2者で、105,000株の売出です。小林社長は今回の売出によって、資産管理会社分を含め議決権は3分の2以下となりますが、引き続き大株主として会社を牽引することになります。
今回は公募で8.2億円の資金調達を行い、調達資金は研究開発費や人件費、広告宣伝費、借入金の返済に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは公募価格1.5倍のロックアップがかかっておりますが、経営陣や従業員が大多数のため、エグジットリスクは極めて低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大のための資金調達となるため期待が持てるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「テンダ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | いちよし証券 | 78.29% | 346,600株 |
幹事 | みずほ証券 | 3.48% | 15,400株 |
SMBC日興証券 | 3.48% | 15,400株 | |
SBI証券 | 3.48% | 15,400株 | |
マネックス証券 | 3.48% | 15,400株 | |
松井証券 | 2.60% | 11,500株 | |
極東証券 | 2.60% | 11,500株 | |
東洋証券 | 2.60% | 11,500株 |
今回の主幹事はいちよし証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にワンダープラネットの上場も控えていますが、両社とも時代のトレンドに乗っかったビジネスであるため、双方に株価高騰の期待が高まっています。システム開発には優秀な人材が必要となってくるため、上場後の人材獲得が成長ドライバーとなるでしょう。