2020年3月24日に東証2部市場へ上場する「リバーホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
リバーホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
リバーホールディングス |
上場市場 |
東証2部 |
銘柄コード |
5690 |
事業内容 |
資源リサイクル事業 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2007年 |
従業員 |
607名 |
会社HP |
https://www.re-ver.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年3月24日(火) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年3月5日(木)~2020年3月11日(水) |
価格決定日 |
2020年3月12日(木) |
購入申込期間 |
2020年3月13(金)~2020年3月18日(水) |
同社は資源リサイクルおよび廃棄物処理を行う会社です。
循環型社会が世界的に叫ばれている中、金属リサイクルを中心に事業拡大を図ってきた老舗企業です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.re-ver.co.jp/introduction/)
同社は2007年に設立した法人ですが、創業は1904年に東京都台東区で創業した「鈴木徳五郎商店」が前身です。1935年に法人化し、現在当社の主子会社である「㈱鈴徳」となっています。2007年に子会社を中心とした競争力確保を目的としてホールディングス化となり今日に至ります。
同社は資源リサイクル事業の単一セグメント運営で、金属リサイクル、自動車リサイクル、産業廃棄物処理、家電リサイクル、その他リサイクルの5区分でリサイクル事業を展開してきました。
主力である金属リサイクルでは、鉄や非鉄金属スクラップをメインとしたリサイクル事業を展開し、自社工場で、生産工場や建物解体業者、自動車解体業などより仕入れた金属スクラップをせん断選別の上で再資源化にしています。
その他、自動車や産業廃棄物、家電といった法律で定められたリサイクルについても同社は対応しており、リサイクルについて横断的に対応できる会社です。
主に東京・埼玉・神奈川といった関東近郊が主力の事業エリアですが、同社が仲介窓口としてサービスである「マリソルネットワーク」を構築し、同業他社をネットワーク参加させることで、全国規模で事業運営を行えるようにしています。
パブリックな事業運営を行うことを目的に今回上場してきます。
売上や成長性は?
|
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
2018年6月期 |
2019年6月期 |
売上高(百万円) |
986 |
839 |
887 |
39,286 |
36,682 |
経常利益(百万円) |
301 |
48 |
△70 |
1,517 |
1,645 |
当期純利益(百万円) |
361 |
60 |
△21 |
2,265 |
1,269 |
純資産額 (百万円) |
4,322 |
4,115 |
4,092 |
14,451 |
15,474 |
BPS(円) |
25,048 |
23,849 |
23,715 |
834 |
904 |
EPS(円) |
2,090 |
345 |
△124 |
153 |
74 |
自己資本比率(%) |
41.7 |
38.9 |
34.9 |
50.5 |
55.8 |
ROE(%) |
8.3 |
1.4 |
– |
19.6 |
8.5 |
配当性向(%) |
7.2 |
2.9 |
– |
10.1 |
14.7 |
業績はぱっとしない印象です。2018年3月期から連結決算としていますので単純比較はできませんが、売上高・経常利益共に伸びていない状況です。尚、2020年6月期2Q(2019年12月末)の売上高は14,992百万円、経常利益は831百万円と進捗率ベースでは前期並みで、今期業績についても見通しは芳しくないです。
配当はこれまでも出しており、2019年6月期は1株4円の配当を出しています。配当性向は14.7%で、上場後は内部留保の拡充を優先しつつも配当を出していく方針です。
公募株数 |
総数4,822,800株 (内、公募4,247,200株、売出575,600株) |
OA分 |
723,400株 |
発行済み株数 |
17,126,500株 |
想定価格 |
920円(100株単位:9万円) |
仮条件 |
920円~960円 |
初値予想 |
850円~960円 |
想定PER |
約12倍 |
想定PBR |
約0.8倍 |
配当利回り |
0.4% |
想定時価総額 |
157億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は51億円で、時価総額が157億円と東証二部上場銘柄としては中規模案件です。事業性に目新しさもなく、業績が伸びていない案件ということから公募割れは避けられない様子です。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
ベステラ(株) |
19.41% |
90日間 |
リバーグループ従業員持株会 |
13.25% |
180日間 |
鈴木 徹 |
8.15% |
90日間 |
鈴木 孝雄 |
7.76% |
90日間 |
(株)エンビプロ・ホールディングス |
4.19% |
90日間 |
東京鐵鋼(株) |
3.99% |
90日間 |
中田 光一 |
3.20% |
90日間 |
鈴木 雄二 |
2.87% |
90日間 |
佐々木 規夫 |
2.63% |
90日間 |
鎌田 英彦 |
2.26% |
90日間 |
同社の大株主は、上場会社でプラント建設を行うベステラ㈱で同社株の約19%を保有しています。株主第2位は同社従業員持株会で13%有しています。元々2017年に産業革新機構が同社株を一部有していましたが、2019年9月に事業会社に売却したことで、大株主であるベステラ㈱及び東京鐵鋼㈱が同社株を有する形になりました。
従って、従業員および役員も株主として存在しますが、株主構成は分散しています。
今回の売出は従業員を中心に個人10者となっており、577,600株の売出です。
公募によって36億円の資金調達を実施し、工場の設備投資に充てる予定です。大株主には90日もしくは180日のロックアップ制限がかかっています。複数の事業会社が株主として入っていますが、戦略的な資本関係であるためエグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件ですが、調達額が東証2部上場案件としては大きめのため人気化は難しいでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「リバーホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
88.70% |
4,919,600株 |
幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
3.04% |
168,700株 |
SMBC日興証券 |
2.17% |
120,500株 |
|
みずほ証券 |
2.17% |
120,500株 |
|
いちよし証券 |
1.30% |
72,300株 |
|
大和証券 |
1.30% |
72,300株 |
|
楽天証券 |
1.30% |
72,300株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他三菱UFJモルガン・スタンレー証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同業他社が混在するリサイクル事業の上場案件ですので、人気化はしにくいと思います。初値に関しても大きく下回る可能性も含め上場後の動向を注視する必要があるでしょう。