2021年9月2日に東証マザーズ市場へ上場する「メディア総研」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
メディア総研の上場日は!?期待度は?
同社は高専生や大学生向け就職活動イベントの企画を行う会社です。
コロナ禍を経た就職活動界隈ですが、少子化が進む中優秀な人材採用を求める企業と納得した就職を目指す学生をつなげる架け橋となっている会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | メディア総研 |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 9242 |
事業内容 | 高専生及び大学生向けの就職活動イベントの企画等 |
所在地 | 福岡県福岡市 |
設立 | 1993年 |
従業員 | 30名 |
会社HP | https://mediasouken.co.jp/ |
監査法人 | 如水 |
上場日 | 2021年9月2日(木) |
主幹事 | 東洋証券 |
BB期間 | 2021年8月18日(水)~ 2021年8月24日(火) |
価格決定日 | 2021年8月25日(水) |
購入申込期間 | 2021年8月26日(木)~ 2021年8月31日(火 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://mediasouken.co.jp/)
同社は1993年にマイナビ出身の田中浩二氏によって設立された会社です。創業当初は進学情報誌の発行をメインで手掛けていましたが、2006年に就職活動イベントを開催したことから、就職活動イベント企画をメインとした事業にシフトしています。
同社は学生イベント事業の単一セグメントで、就職活動イベントと企画制作の区分に分けて事業を展開しています。
就職活動イベントでは高専生や大学生向けの合同説明会の企画運営を手がけています。特に同社は高専生向けの就職活動に特化したイベント企画を展開しています。高等専門学校は全国57校存在し、理系を中心とした6年制の学校で、卒業後は大学への編入か即戦力として技術系企業への就職の道を進む学生が多いのが特徴です。
一方で、長く各高専の先生のコネ等によって就職先が大きく左右される閉鎖的な世界であると言われており、同社は「高専生に自由な就職活動を行える」ための支援を行うために、高専生向けの就職合同説明会の運営を手がけています。
自社主導のイベントのみならず、高専側より受託し就職活動イベントを手がける「学校主催受託型」も手がけています。高専生の約7割が同社主催のイベントに参加するまでに影響度は高まっており、他社と差別化を図っています。
また、大学生向けイベントでも理系向けの就職活動イベントを強みとしています。
企画制作においては自社WEBマガジン「月刊高専」の運営や大学別就活手帳の受託製造を手がけており、全体の約9%の売上となっています。
全体売上の内、高専向けが58.9%、大学向けが30.6%となっており、高専による売上が過半数を超えています。
上場後は高専以外に視野を広げた事業拡大を図る見込みです。
2016年7月期 | 2017年7月期 | 2018年7月期 | 2019年7月期 | 2020年7月期 | |
売上高(百万円) | 364 | 438 | 501 | 640 | 703 |
経常利益(百万円) | 75 | 82 | 86 | 141 | 128 |
当期純利益(百万円) | 52 | 56 | 60 | 123 | 99 |
純資産額 (百万円) | 72 | 128 | 189 | 341 | 440 |
BPS(円) | 71,956 | 127,707 | 189,149 | 324 | 418 |
EPS(円) | 52,040 | 55,751 | 60,350 | 117 | 94 |
自己資本比率(%) | 39 | 51 | 46 | 75 | 85 |
ROE(%) | 113.3 | 55.8 | 38.1 | 46.6 | 25.3 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は順調に伸びています。売上高は5期連続増収で順調な業績です。利益も右肩上がりで伸びており、事業の順調さを示しています。
尚、2021年7月期3Q(2021年4月)の売上高は612百万円、経常利益は243百万円となっており、利益面では既に前期業績を上回る勢いです。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は内部留保を確保するため無配方針です。
公募株数 | 総数300,000株 (内、公募100,000株、売出200,000株) |
OA分 | 45,000株 |
発行済み株数 | 1,154,000株 |
想定価格 | 2,600円(100株単位:26万円) |
仮条件 | 2,600円 ~ 2,900円 |
初値予想 | 3,000円 ~ 3,800円 |
想定PER | 約40倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 30億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は9億円で、時価総額が30億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。サイズ感から評価されやすいものの、IPOラッシュの中発煙はほどほどで決まることが想定されます。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
田中 浩二 | 88.29% | 180日間 |
野本 正生 | 3.00% | 180日間 |
新潟 真也 | 2.33% | 180日間 |
谷口 陽子 | 1.80% | 180日間 |
吉行 亮二 | 0.88% | 180日間 |
門司 明子 | 0.44% | 180日間 |
吉居 大希 | 0.44% | 180日間 |
馬木 均 | 0.35% | |
吉原 広登 | 0.35% | |
沖口 由美子 | 0.35% |
同社の株主構成ですが、創業者である田中社長が筆頭株主で、同社株の88%を有しています。株主2位以下は役員及び従業員で、VC等による保有はありません。
今回の売出は田中社長のみで、計200,000株の売出です。
今回は公募で2.3億円の資金調達を行い、調達資金はシステム投資や人材投資、本社移転費用に充てる予定です。
なお、大株主の大半に180日のロックアップ制限がかかっています。VCがいないためエグジットリスクは極めて低いことが想定されます。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、筆頭株主による流動性確保のための売出の印象が強く、ネガディブに捉えられるIPOではないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「メディア総研」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 東洋証券 | 82.61% | 285,000株 |
幹事 | FFG証券 | 4.35% | 15,000株 |
SBI証券 | 3.48% | 12,000株 | |
いちよし証券 | 3.48% | 12,000株 | |
東海東京証券 | 2.61% | 9,000株 | |
岡三証券 | 1.74% | 6,000株 | |
極東証券 | 0.87% | 3,000株 | |
松井証券 | 0.87% | 3,000株 |
今回の主幹事は東洋証券が主幹事を務めます。その他をFFG証券含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にモビルスが上場することもあり、初値高騰には高い期待は持ちにくいでしょう。ただし、事業柄成長していることから、一定の評価を受け成長していくことが予想されます。コロナ禍を経てどのように事業成長していくか注目です。