2019年3月5日に東証1部市場へ上場する「日本国土開発」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
日本国土開発の上場日は!?期待度は?
企業名 | 日本国土開発 |
上場市場 | 東証1部市場 |
銘柄コード | 1887 |
事業内容 | 土木・建築工事の施工管理および建築設計業務を中心とした総合建設業 |
所在地 | 東京都港区 |
設立 | 1951年 |
従業員 | 1,003名 |
会社HP | https://www.n-kokudo.co.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2019年3月5日(火) |
主幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
BB期間 | 2019年2月15日(金)~2019年2月21日(木) |
価格決定日 | 2019年2月22日(金) |
購入申込期間 | 2019年2月25日(月)~2019年2月28日(木) |
同社は土木や建設を請け負う総合建設企業です。
これまで多くの公共事業の受託経験があり、トンネルや土地造成等数多くの工事を施工してきました。目新しさのない事業内容ですが、東証一部にストレートで上場してきます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.n-kokudo.co.jp/)
同社は1951年に土木工事の機械施工を行う会社として創業しました。
当時は第二次世界大戦後の復興需要が強く、多くのニュータウン開発や都市開発が進められていた時期であり、同社は機械を活用し効率よく土地造成を行っていきました。
その後総合建設業へ拡大し、土木と建設両面で拡大していきました。1954年には株式上場を果たし、1964年からは東証一部上場会社としてバブル期まで企業成長を遂げていましたが、バブル崩壊後経営状況が悪化し、1999年に会社更生法適用によって上場廃止となりました。
その後種々企業体質の改善を図り、今日改めて収益性を伴った会社として再上場の運びとなりました。
建設では超高層マンションやビルを手掛けることができる会社であり、大手ゼネコンにも食い込むことができるノウハウを有している会社です。
売上や成長性は?
2014年4月期 | 2015年4月期 | 2016年4月期 | 2017年4月期 | 2018年4月期 | |
売上高(百万円) | 96,783 | 112,130 | 118,875 | 109,117 | 117,579 |
経常利益(百万円) | 1,491 | 3,548 | 5,520 | 7,224 | 15,330 |
当期純利益(百万円) | 1,152 | 2,744 | 2,871 | 3,667 | 10,262 |
純資産額 (百万円) | 35,324 | 39,081 | 41,099 | 42,029 | 50,180 |
BPS(円) | 352 | 384 | 402 | 509 | 709 |
EPS(円) | 12 | 28 | 29 | 41 | 138 |
自己資本比率(%) | 43.1 | 41.8 | 43.9 | 34.2 | 40.9 |
ROE(%) | 3.3 | 7.1 | 7.1 | 9 | 20.6 |
配当性向(%) | 32.5 | 21.8 | 26.2 | 20.4 | 12.0 |
業績について、売上はともかく利益面では上昇傾向にあります。売上高は横ばいを見せていますが、利益は5期連続で増益です。配当については連結配当性向30%を目標とした安定配当を予定しています。現状の配当利回りは約3%で、高利回りが想定されます。
公募株数 | 総数13,456,000株 (内、公募12,080,000株、売出1,376,000株) |
OA分 | 2,018,400株 |
発行済み株数 | 98,255,000株 |
想定価格 | 500円(100株単位・5万円) |
仮条件 | 490円~500円 |
初値予想 | 500円~650円 |
想定PER | 約5倍 |
想定PBR | 約0.9倍 |
配当利回り | 約3% |
想定時価総額 | 491億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は77億円で、時価総額が491億円です。再上場案件ですので、避ける投資家もいますが、公募価格は3桁台ですし、高配当銘柄、割安銘柄と材料はそろっています。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
日本国土開発持株会 | 16.44% | 180日間 |
(株)ザイマックス | 7.90% | 180日間 |
みずほ信託銀行(株)(一般財団法人日本国土開発未来研究財団口) | 5.39% | 継続保有 |
(株)西京銀行 | 4.71% | 180日間 |
(株)三菱UFJ銀行 | 4.71% | 180日間 |
アジア航測(株) | 4.29% | 180日間 |
前田建設工業(株) | 4.04% | 180日間 |
日本基礎技術(株) | 3.91% | 180日間 |
三井住友海上火災保険(株) | 3.31% | 180日間 |
東亜道路工業(株) | 2.96% | 180日間 |
同社の大株主は同社の持株会で、16%を有しています。その他関係会社や銀行など、再建に協力した企業が多く株主として名を連ねています。
売出は株式会社ユーシンと管理部長の増成取締役の2者で、137.6万株の売出です。大株主の大半には上場後180日のロックアップがかかっていますので、エグジットリスクは大いに少ないといえます。また協力会社が多いため、引き続きの継続保有が見込まれます。
公募によって調達する57億円は、技術開発拠点となるつくば未来センターへの投資や機械設備の購入、社内システムの更新、太陽光発電事業への投資に充てられます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「日本国土開発」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 91.31% | 14,129,000株 |
幹事 | みずほ証券 | 5.22% | 807,300株 |
大和証券 | 1.74% | 269,100株 | |
極東証券 | 0.87% | 134,500株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 134,500株 |
今回は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めます。その他株主にも名を連ねるみずほ系のみずほ証券等が幹事として名を連ねます。株数は比較的多いため獲得できる確率は高いです。
著者のまとめ
再上場案件となる同社ですが、バブル崩壊によって大きく受注等を減らし会社更生法の適用を受けざるを得なくなりました。その後は金融機関等の関与もあり、業績をおよび財務面の強化を図り、今回再上場となりました。
そのため企業体質は非常に改善されているため、今後の受注等に関しても大きく期待できるものとなる可能性が高いです。
PERが5倍程度と非常に割安で、配当利回りが3%を想定することから安定した値動きが期待できることを考えると、長期投資家には魅力的な案件であるといえます。