2017年10月5日に東証マザーズ市場へ上場した「MS&Consulting」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
MS&Consultingの上場日は!?期待度は?どんな会社なの?
企業名 |
MS&Consulting |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
6555 |
事業内容 |
顧客満足度・従業員満足度の向上のためのリサーチ業務および経営コンサルティング業務 |
所在地 |
東京都中央区 |
設立 |
2008年 |
従業員 |
131人 |
会社HP |
|
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2017年10月5日(木) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2017年9月20日(水)~2017年9月26日(火) |
価格決定日 |
2017年9月27日(水) |
購入申込期間 |
2017年9月28日(木)~2017年10月3日(火) |
2000年に元上場会社であった経営コンサルティング業・日本エルシーエーが始めた外食産業調査「ミステリー・ショッパー」事業を2008年に子会社として事業移転を行い同社は誕生しました。
近年注目されている「顧客満足度」や「従業員満足度」の向上の一助となるビジネスを行っており、①顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」事業、②従業員満足度調査「サービスチーム力診断」事業、③満足度向上のための研修およびコンサルティング事業を行っております。
国内外においてクライアントを抱えており、企業内ではなかなか難しい内外部の満足度を第三者的にアドバイスをもらえるということから益々の事業拡大が見込める事業と言えましょう。
どんなことをしている会社なの?
同社の創業以来の事業でもある「ミステリーショッピングリサーチ事業」と「サービスチーム力診断事業」、「コンサルティング事業」の三位一体となり、顧客および従業員の精神的豊かな社会作りを目指しているのが同社のビジネスモデルであります。
事業としてはまず顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」が筆頭に上がります。一般的には「ミステリーショッパー」とも呼ばれており、飲食店やコンビニなどを「顧客」として訪れて、その店舗の状況やサービス内容を同社に報告するという仕組みを取っております。
覆面調査に参加した方には利用代金の全部または一部を同社から報酬として支払い、同社は対象店に対して情報料として報酬を頂くという事業モデルとなっております。
2017年3月期において覆面調査件数は21万件を超えており、外食産業のみならず小売業や美容業界など「顧客サービス」を提供する企業からの依頼を受けております。
併せて日本全国に44万人のモニターを抱えているため、十分な調査量を獲得することが可能となっております。
また顧客のみならず、「従業員の満足度」を図るための「サービスチーム力診断」事業も展開しており、多くの企業から収集したデータを駆使して「企業内の満足度」を他社比較できるようになっております。
近年「働き方改革」と政府が提唱しておりますが、従業員のモチベーションを調べるためのノウハウを有している同社への依頼が増えております。
現在は外食や小売が中心となっている「ミステリーショッピングリサーチ事業」ですが、今後はサービスの拡充を行ったうえで、行政機関や金融・外資系企業などの更なる利用企業獲得に努めて行くとのことです。
また、同社は事業のプラットフォーム化を目指しており、同社サービスをWebサービス「MSナビ」に集約し、利便性を高める努力も行っております。
2008年に創業した同社ですが、創業当初に当社事業を行っていた「日本エルシーエー」が経営難に見舞われたため、同社の事業を会社化し株式会社ホッコクへ売却されたところより始まっているという稀有な経歴を持っています。
その後2009年に「大和SMBCキャピタル」運営のファンドへ売却され、2013年には東京海上キャピタル運営のファンドに売却され現在に至ります。
事業の期待性があったものの、親会社の経営難によって所在を転々せざるを得なかった同社は他社にはない経歴と言えましょう。
売上や成長性は?
業績面においては着実な成長を見せております。
現存続会社は2012年度からの経営となっているため情報量は少ないですが、売上利益ともに右肩上がりを見せております。
海外への進出を果たしている同社は国際会計基準を適用しております。配当政策は前会計年度では配当性向200%を超える配当を出しておりますが、上場後は経営状況に応じて配当を出す方針を打ち出しております。従って配当を継続して出すかは経営次第となっています。
公募株数 |
総数3,782,700株 (内、公募50,000株、売出3,732,700株) |
OA分 |
567,300株 |
発行済み株数 |
4,560,000株 |
想定価格 |
1,280円(100株単位・13万円) |
仮条件 |
1,150円~1,280円 |
初値予想 |
1,170円~1,500円 |
想定PER |
約17倍 |
想定PBR |
約2倍 |
配当利回り |
未定 |
想定時価総額 |
58億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が56億円ほどであり、発行株数がほぼ市場に出てくる計算となります。マザーズの中でも胃もたれしてしまう案件と言えましょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
TMCAP2011投資事業有限責任組合 |
86.88% |
180日間 |
並木 昭憲(社長) |
3.06% |
180日間 |
辻 秀敏 |
3.06% |
180日間 |
渋谷 行秀 |
3.06% |
180日間 |
日野 輝久 |
2.85% |
180日間 |
佐竹 悦幸 |
0.04% |
|
若松 隆 |
0.04% |
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蛭子 健太 |
0.04% |
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古川 健 |
0.04% |
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相崎 哲史 |
0.04% |
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今回は筆頭株主である「TMCAP2011投資事業有限責任組合」のみ売出となっており、実質VCのエグジット案件といっても過言ではありません。
ただし今回の公募売り出しに際して、業務提携先である「株式会社ぐるなび」と「同社従業員持株会」へ一定数の株式売出しを行う予定です。
よって上場後はそれぞれ大株主6位、7位となります。
また公募資金は自社システムの設備増強およびMSナビの開発資金、子会社の借入金返済に充てる予定なので、特段大きな成長ドライバーにはならないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「MS&Consulting」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
90.0% |
3,001,700株 |
幹事 |
大和証券 |
3.5% |
116,300株 |
野村證券 |
3.5% |
116,300株 |
|
マネックス証券 |
1.0% |
33,200株 |
|
SBI証券 |
1.0% |
33,200株 |
|
いちよし証券 |
1.0% |
33,200株 |
今回は10月4日現在割当が完了しているため、購入は市場での買いつけとなります。主幹事のSMBC日興証券が約9割の割当があったため、全体的には当選率は少ない案件であったと考えられますが、大手証券会社への比率が9割以上のため比較的属性の高い顧客への配分が行われたのではないかと推測できます。
今後の情報はマネーボックスで確認することができます。新規上場銘柄の情報はここからチェックすることができMS&Consultingの上場後10月5日以降はここ(6555 MS&Consulting)から日々の値動きを確認することができます。
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著者のまとめ
10月5日は3社同時上場日であり、同社以外の「ウェルビー」と「大阪油化工業」も期待度についてはまちまちな状況です。
かつVCエグジット案件でもある同社の上場について、ネット上では批判的声も聞こえてきます。しかしながら同社を利用する企業は年々増加傾向であり、顧客満足度の点においては同社以上にノウハウを持っている企業は少ないのが現実です。
ネット上の書き込みは株式投資をしていない方や同社株を購入しない方も簡単に書き込みができるため、ビジネスモデルを正しく理解せずに投稿している傾向がありますが、仮条件上限で価格が決まったことは評価しても良いでしょう。
非常に資金が集まっての上場ですし、これからの成長も期待できるビジネスを行っている同社株は上場後堅調な値動きを続けるのではないかと考えています。
画像引用元:https://ipochallenger.com/m/6555.pdf