2019年10月18日に東証2部市場および名証2部市場へ上場する「ワシントンホテル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ワシントンホテルの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ワシントンホテル |
上場市場 |
東証2部、名証2部 |
銘柄コード |
4691 |
事業内容 |
ビジネスホテル「ワシントンホテル」、「R&Bホテル」等運営 |
所在地 |
愛知県名古屋市 |
設立 |
1961年 |
従業員 |
541名 |
会社HP |
https://www.washingtonhotel.co.jp/ |
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2019年10月18日(金) |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
BB期間 |
2019年10月1日(火)~2019年10月7日(月) |
価格決定日 |
2019年10月8日(火) |
購入申込期間 |
2019年10月9日(水)~2019年10月15日(火) |
同社は全国でホテル事業を展開する会社です。
ホテルブランド「ワシントンホテルプラザ」、「R&Bホテル」、「名古屋国際ホテル」はビジネス客に人気なホテルブランドでもあります。創業58年目での上場となります。2020年東京オリンピックに向けたホテル関連銘柄のIPOです。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.washingtonhotel.co.jp/)
同社は1961年に創業しました。きっかけは愛知地場の百貨店「丸栄」が開設した国際ホテル丸栄の後身として、中部財界の資金援助の元開業した「名古屋国際ホテル」が同社のスタートです。
1969年より「ワシントンホテル」ブランドでホテル展開を行い、全国進出していきました。同社の創業社長は、ホテル事業を行う上場会社・藤田観光の初代社長である小川栄一氏で、創業来「ワシントンホテル」ブランドで展開してきました。尚、1997年から同社の「ワシントンホテル」ブランドは、「ワシントンホテルプラザ」ブランドに変わり、藤田観光との提携関係を弱めています。2012年に提携解消となりましたが、現在も10%程度を持つ株主です。
同社ブランドは3つあります。まずは創業来からのブランドで、駅近・繁華街近辺の立地で運営されている「ワシントンホテルプラザ」です。全国18施設を展開していますが、2000年以降出店がありません。
その代わりに施設数を増やしているのが「R&Bホテル」です。「部屋と食だけ」をコンセプトに、宿泊に関してローコストながら朝食付きというシングル向けホテルとなっており、全国23施設を運営しています。
3つ目は創業のきっかけでもある「名古屋国際ホテル」です。こちらは1施設のみで、1964年に名古屋でオープンした本格的都市型ホテルで、長年愛されてきましたが、2020年9月に営業終了予定です。
上場後は引き続き出店を強化していき、全国の都市部にホテルを建設していく方針です。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
20,028 |
21,007 |
19,662 |
21,417 |
21,411 |
経常利益(百万円) |
1,829 |
3,088 |
3,389 |
3,010 |
2,837 |
当期純利益(百万円) |
1,760 |
1,964 |
2,432 |
1,913 |
1,704 |
純資産額 (百万円) |
4,840 |
5,779 |
8,095 |
10,111 |
11,730 |
BPS(円) |
386 |
572 |
802 |
1,002 |
1,162 |
EPS(円) |
174 |
195 |
241 |
189 |
169 |
自己資本比率(%) |
39.4 |
34.3 |
44 |
45.2 |
46.7 |
ROE(%) |
44.7 |
37 |
35.1 |
20.7 |
15.6 |
配当性向(%) |
2.9 |
5.1 |
5.4 |
8.1 |
8.3 |
業績は横ばいを続けています。大方一定の売上と利益を確保している印象ですが、今後は更なる成長が必要です。なお、2020年3月期の1Q(2019年6月)時点で、売上高は5,507百万円、経常利益は788百万円です。配当はこれまでも出しており、上場後は2020年3月期で配当性向20%、以降は25%を目標に安定配当を出していく方針です。
公募株数 |
総数1,800,000株 (内、公募1,800,000株、売出0株) |
OA分 |
270,000株 |
発行済み株数 |
11,900,000株 |
想定価格 |
1,290円(100株単位・13万円) |
仮条件 |
1,280円~1,310円 |
初値予想 |
1,290円~1,500円 |
想定PER |
約9倍 |
想定PBR |
約1.1倍 |
配当利回り |
約1.1% |
想定時価総額 |
153億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は27億円で、時価総額が153億円です。IPO銘柄としては中規模の銘柄です。業績の伸びしろが少なく、社歴が長いことから初値高騰は見込めません。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)丸栄 |
14.20% |
180日間 |
藤田観光(株) |
10.51% |
180日間 |
(株)三菱UFJ銀行 |
4.98% |
180日間 |
(株)みずほ銀行 |
4.98% |
180日間 |
(株)名古屋銀行 |
4.98% |
180日間 |
日本生命保険相互会社 |
4.90% |
180日間 |
明治安田生命保険相互会社 |
4.36% |
180日間 |
(株)近藤紡績所 |
3.14% |
180日間 |
名古屋中小企業投資育成(株) |
2.94% |
180日間 |
朝日生命保険相互会社 |
2.72% |
180日間 |
同社の大株主は、かつて名古屋地場の百貨店を運営していた㈱丸栄で、同社株を約14.2%保有しています。名古屋国際ホテルは丸栄が保有するビルに入っているが、耐震性に問題があるとして2020年に取り壊しが決まっています。
その他藤田観光や金融機関等複数の株主が保有しています。
今回は売出がありません。
公募は21億円の資金調達で、R&Bホテル新設費用とワシントンホテルプラザのリニューアルに資金充当する予定です。
今回は既存株主の売出のない資金調達目的のIPOです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ワシントンホテル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
88.70% |
1,836,000株 |
幹事 |
みずほ証券 |
4.35% |
90,000株 |
東海東京証券 |
1.74% |
36,000株 |
|
岡三証券 |
1.74% |
36,000株 |
|
SMBC日興証券 |
0.87% |
18,000株 |
|
大和証券 |
0.87% |
18,000株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
18,000株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
18,000株 |
今回の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ビジネスマンを中心に知名度の高いワシントンホテルですが、今回資金調達目的で上場してきます。業績が伸びているわけではないのでそこまでの値動きは期待できません。
ただし、2020年東京オリンピックにおけるホテル需要や上場と同時に株主優待を設ける方針で、保有株数に応じて優待券を2枚から10枚もらえるため、優待目的の投資家には注目を集めそうです。