2021年2月25日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「アピリッツ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アピリッツの上場日は!?期待度は?
同社はWebサイトやECサイトの開発・管理の他オンラインゲーム開発を手がける会社です。
自社でエンジニアを抱え、これまでクライアントのシステム開発ニーズに応えてきた会社です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
アピリッツ |
上場市場 |
東証JQスタンダード |
銘柄コード |
4174 |
事業内容 |
各種Webサービスシステムの受託開発それに伴うコンサルティング・アクセス解析・インフラ構築・保守・監視事業、及びオンラインゲームにかかる企画・開発・運営、人材派遣事業の運営 |
所在地 |
東京都渋谷区 |
設立 |
2000年 |
従業員 |
412名 |
会社HP |
https://appirits.com/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2021年2月25日(木) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2021年2月5日(金)~2021年2月12日(金) |
価格決定日 |
2021年2月15日(月) |
購入申込期間 |
2021年2月16日(火)~2021年2月19日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://appirits.com/)
同社は、2000年に神奈川県横浜市に設立した会社で、創業来ECサイトやWebシステムの構築を手掛けてきました。
同社の事業は大きく分けると「Webソリューション事業」と「オンラインゲーム事業」の2事業を展開しており、いずれもオンラインに対応したシステム開発ビジネスを中心に事業運営を行っています。
Webソリューション事業は、クライアントのECサイトやWebサイトの企画・開発・運用を担う事業で、クライアントに合わせて運営全般を一挙に担う「一気通貫支援」を行っているのが特徴です。
特に、クライアントにおけるDXへの対応ニーズが高く、取引顧客による継続取引率は78%と年々向上しているため、引き続きの取引拡大が見込めます。
オンラインゲーム事業では、自社およびクライアント依頼によるオンラインゲーム開発を手掛けています。またクライアント先へのゲーム開発人材の派遣も行っており、開発に長けた人材を生かした事業を展開しています。
同社はGoogleやAmazon等の開発パートナーに認定されており、DX化に向けた様々なサポート体制が取れる状況となっています。上場を機に人材採用を踏まえた事業拡大に舵を切っていく模様です。
|
2016年1月期 |
2017年1月期 |
2018年1月期 |
2019年1月期 |
2020年1月期 |
売上高(百万円) |
2,158 |
2,219 |
2,438 |
2,902 |
3,580 |
経常利益(百万円) |
326 |
222 |
190 |
115 |
143 |
当期純利益(百万円) |
183 |
19 |
128 |
58 |
67 |
純資産額 (百万円) |
1,137 |
1,156 |
1,283 |
1,342 |
1,408 |
BPS(円) |
106,124 |
107,907 |
119,815 |
1,253 |
1,315 |
EPS(円) |
17,113 |
1,782 |
11,909 |
54 |
62 |
自己資本比率(%) |
69.9 |
66.30 |
71.9 |
73.7 |
73.4 |
ROE(%) |
17.5 |
1.7 |
10.5 |
4.4 |
4.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は緩やかに上昇推移しています。売上高は緩やかですが右肩上がりに拡大しており、利益は事業拡大におけるコストが先行するものの、一定の利益を計上している状況です。
尚、2020年1月期3Q(2020年10月)の売上高は2,879百万円、経常利益は150百万円となっており、21年1月期は前期を上回る予想です。
配当は創業来無配で、上場後も内部留保と的確な投資を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数240,000株 |
OA分 |
36,000株 |
発行済み株数 |
1,261,100株 |
想定価格 |
1,180円(100株単位:12万円) |
仮条件 |
1,120円 ~1,180円 |
初値予想 |
1,500円 ~4,000円 |
想定PER |
約22倍 |
想定PBR |
約0.9倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
14.8億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3.3億円で、時価総額が14.8億円と東証ジャスダックスタンダード上場銘柄としては小型案件です。サイズ感や公開規模を踏まえると非常に割安に上場してくるため、一定の初値高騰には期待できそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)エイ・ティー・ジー・シー |
42.67% |
180日間 |
クリプトメリア(株) |
9.87% |
180日間 |
魚谷 幸一 |
8.61% |
180日間 |
和田 順児 |
7.31% |
180日間 |
藤田 晋 |
3.00% |
|
(株)HBD |
3.00% |
90日間or1.5倍 |
笠谷 真也 |
2.51% |
180日間 |
三浦印刷(株) |
2.33% |
180日間 |
佐藤 輝英 |
1.80% |
|
三原 順 |
1.79% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、同社を創業以来支援する株式会社エイ・ティー・ジー・シーが43%の株式を有する筆頭株主で、その他事業会社の他同社役員も保有しています。中には、サイバーエージェントの藤田社長個人でも出資を受けており、注目度の高さが伺えます。
今回の売出はエイ・ティー・ジー・シーを含めた2社で、50,000株の売出です。
今回は公募にて1.9億円の資金調達を行い、調達資金はエンジニア採用費や求人活動費、その他広告宣伝費に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは、90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。外部株主が目立つ状況ですが、上場後のエグジットリスクは大きく考える必要のなさそうな案件です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、人材採用費調達を行う上で事業拡大を図る模様です。公募株や売出株を上回っており、将来への投資資金調達がメインと評価される可能性は高いです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アピリッツ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
90.43% |
249,600株 |
幹事 |
SBI証券 |
2.61% |
7,200株 |
極東証券 |
2.61% |
7,200株 |
|
大和証券 |
1.74% |
4,800株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
2,400株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
2,400株 |
|
エース証券 |
0.87% |
2,400株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ジャスダック上場銘柄のため、初値で大きな高騰は見込みにくい一方で、公募価格を含め株価は割安と判断されるため、上場後の初値高騰には期待したいところです。