2018年12月19日に東証マザーズ市場へ上場する「Kudan[クダン]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Kudanの上場日は!?期待度は?
企業名 | Kudan[クダン] |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4425 |
事業内容 | 人工知覚技術の研究開発及びソフトウェアライセンスの提供 |
所在地 | 東京都新宿区 |
設立 | 2014年 |
従業員 | 14名 |
会社HP | https://www.kudan.eu/japan/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2018年12月19日(水) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2018年12月4日(火)~2018年12月10日(月) |
価格決定日 | 2018年12月11日(火) |
購入申込期間 | 2018年12月12日(水)~2018年12月17日(月) |
同社は人工知能AIの研究開発を行うベンチャー企業です。
海外子会社と共同でAR技術の開発を行っており、人工知能よりも周囲を理解するための人工知覚機能の開発に取り組んでいます。市場では高い評価を受ける銘柄になりそうです。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.kudan.eu/kudanslam/)
同社は創業者であり現代表取締役である大野智弘氏が、2011年に英国で創業した「Kudan Limited」の管理会社として2014年に東京に創業しました。
元々「人工知覚(AP)」技術の開発における基礎技術「SLAM技術」の開発を進めていた同社は、AP技術の分野で先行しています。
AP技術は人間の眼と同様に機械が視覚的能力を持つ技術であり、カメラ等で取得した視覚データを高レベルで解析し、認識することを指します。
認識能力と合わせ、AI技術の開発を行いBtoB向けの省力化に向けた技術提供を進めていく方針です。
現在同社はAPエンジンをハードウェアに組み込むためのソフトウェア「KudanSLAM」をライセンス提供しており、主に半導体・センサー企業を顧客として行っています。
市場でも注目されるAI関連銘柄として評価されることが見込まれる案件です。
売上や成長性は?
2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | – | 50 | 89 | 205 |
経常利益(百万円) | △1 | 2 | △90 | 4 |
当期純利益(百万円) | △1 | 2 | △93 | 4 |
純資産額 (百万円) | 39 | 161 | 193 | 190 |
BPS(円) | 1,473 | 5,407 | 32 | 29 |
EPS(円) | △60 | 55 | △15 | 1 |
自己資本比率(%) | 99 | 98 | 92 | 92 |
ROE(%) | – | 2 | – | 1.9 |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ |
同社の業績は成長真っただ中です。創業しまだ間もないため、売上高は2億円程度と非常に小さく、利益もようやく出てきたところです。配当政策は内部留保を優先せざるを得ない状況です。基本無配が想定されます。
公募株数 | 総数170,900株 (内、公募123,000株、売出47,900株) |
OA分 | 25,600株 |
発行済み株数 | 6,866,200株 |
想定価格 | 3,260円(1株単位・33万円) |
仮条件 | 3,260円~3,720円 |
初値予想 | 4,500円~7,000円 |
想定PER | 約6086倍 |
想定PBR | 約41倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 233億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6億円で、時価総額は223億円と中規模です。業種としては大幅高騰が見込めるため、寄付買いをしていきたいところですが、売上2億円の会社に時価総額が200億円を超えている点は非常に気になります。現状の実力以上の株式価値のため株価の変動には注意する必要があります。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
大野 智弘 | 52.98% | 180日間 |
Jun Emi | 11.04% | 180日間 |
John Williams | 5.40% | 180日間 |
飯塚 健 | 3.97% | 180日間 |
Net Capital Partners Limited | 2.89% | 180日間 |
美澤 臣一 | 2.66% | 180日間 |
Ardian International Limited | 2.10% | 180日間 |
高橋 秀明 | 2.10% | 180日間 |
斉藤 誠 | 2.10% | 180日間 |
国際航業(株) | 1.82% |
大株主は、大野智弘社長が過半数越えの53%を有します。その他取締役および従業員が名を連ねていますが、いくつか企業やファンドも名を連ねています。全体の7割ほどには180日ロックアップがかかっているため、上場後のエグジットによる変動は少ないと思われますが、上場によって大きく変動する可能性があるため注意が必要です。
今回の売出は大野社長を含めた4者で47,900株です。売却後も株主構成比は基本変わりません。
公募によって調達する3.6億円は海外子会社向けの投融資によってAP技術の開発に充てられる予定です。また他地域への事業展開と従業員採用費、本社移転費用にも充てられます。
今回のIPOはあくまでも資金調達が中心であるため、エグジット案件ではないといえます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Kudan」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 91.45% | 179,700株 |
幹事 | みずほ証券 | 3.46% | 6,800株 |
いちよし証券 | 1.73% | 3,400株 | |
大和証券 | 1.27% | 2,500株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 1,700株 | |
エース証券 | 0.41% | 800株 | |
岡三証券 | 0.41% | 800株 | |
丸三証券 | 0.41% | 800株 |
今回は中小IPOに強いSMBC日興証券が主幹事です。その他中堅証券が幹事会社に名を連ねています。株数は非常に少ないため獲得は至難の業です。
著者のまとめ
2018年12月のIPOイベントの中でも、最も注目される案件の上場です。AIはもちろん、APという視覚的な認識技術を開発しており、創業間もないにもかかわらず多くの資金が入っています。
IPOを機に成長を加速させ、我々の生活を便利にするべく大きな影響を与えてくれることは間違いありません。
ただしPERが異常な数値となっており、過去に上場したHEROZを大きく上回る数字であるため、超短期売買が繰り返される可能性も否めません。
従って取引においては注意が必要と言えます。