2021年8月24日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「タンゴヤ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
タンゴヤの上場日は!?期待度は?
同社はオーダースーツやオーダシャツの企画販売を行う会社です。
自社ブランドである「タンゴヤ」や「グローバルスタイル」といったオーダースーツ専門店を運営しており、ビジネスマンには知名度の高い同社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | タンゴヤ |
上場市場 | 東証JQスタンダード市場 |
銘柄コード | 7126 |
事業内容 | メンズ、レディースのオーダースーツ及びオーダーシャツ等の企画・販売 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 1949年 |
従業員 | 218名 |
会社HP | https://tangoya.co.jp/ |
監査法人 | 仰星 |
上場日 | 2021年8月24日(火) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2021年8月5日(木)~ 2021年8月12日(木) |
価格決定日 | 2021年8月13日(金) |
購入申込期間 | 2021年8月16日(月)~ 2021年8月19日(木 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://tangoya.co.jp/)
同社は1949年に大阪にて設立された毛織物卸売会社で、創業者・田丸正二氏が1928年に個人事業として創業し、法人化を経て今日に至ります。
同社は「オーダースーツの販売店舗を運営する事業」の単一セグメントで運営されています。同社は「Ginza Global Style(グローバルスタイル)」ブランドを中心にオーダースーツ店を運営しており、自社で生地や商品を仕入れ、製品を生産委託先に委託した上でオーダースーツ等を提供するモデルで拡大してきました。
グローバルスタイルが登場する以前のオーダースーツというと、高級感があり金額も数十万円とするものが一般的な認識でした。そこで、同社はオーダースーツを「高感度で高品質かつ、低価格〜中価格帯で販売できる」ビジネスモデルを構築しました。特にグローバルスタイルの店舗では、「プライベートフィッティング」をコンセプトにしたお店づくりを行なっています。生地の展示や採寸を予約制にて承るなど、お客様にとって特別感とお得感を演出しており、20代から30代の働き盛りのビジネスマンを中心にニーズを高めています。尚、現在22店舗を運営しています。
その他、同社名と同様の「タンゴヤ」ブランドで5店舗運営する他、オンラインでの注文可能にするなど、オフラインとオンライン双方で対応できる体制となっています。
同社の強みは独自の物流モデル「タンゴヤSPAモデル」を有している点で、縫製工場との連携から生地の仕入れ、製品の納品までを一貫して手掛けているところに特徴を有しており、中間マージンを抑えることで、低価格ながらも収益を確保できるモデルとなっています。
現在女性向けのオーダースーツ店のほか、オンラインの強化に努めており、今後の成長が引き続き見込めそうです。
2017年5月期 | 2018年5月期 | 2018年7月期 | 2019年7月期 | 2020年7月期 | |
売上高(百万円) | 5,758 | 7,353 | 463 | 9,720 | 9,018 |
経常利益(百万円) | 290 | 561 | △522 | 633 | 257 |
当期純利益(百万円) | 48 | 196 | △392 | 538 | 185 |
純資産額 (百万円) | 932 | 1,128 | 579 | 683 | 815 |
BPS(円) | 532 | 644 | 331 | 519 | 619 |
EPS(円) | 27 | 112 | △224 | 397 | 140 |
自己資本比率(%) | 24 | 26 | 13 | 13 | 13 |
ROE(%) | 5.2 | 19.1 | – | 85.2 | 24.7 |
配当性向(%) | – | – | – | 10.1 | 10 |
業績はやや成長鈍化している印象です。2018年7月期より決算期変更をしているため単純比較はできませんが、売上高・利益共に着実に伸びてきた中でのコロナ禍による影響が現れた格好です。20年7月期は店舗の休業もあり、減収減益となってしまいました。
尚、2021年7月期3Q(2021年4月)の売上高は6,428百万円、経常利益は237百万円となっており、前期を上回れるかがチェックポイントでしょう。
配当はこれまでも出してきており、上場後も10%〜20%の配当性向で出していく方針です。
公募株数 | 総数520,000株 (内、公募140,000株、売出70,000株) |
OA分 | 31,500株 |
発行済み株数 | 1,751,372株 |
想定価格 | 1,570円(100株単位:16万円) |
仮条件 | 1,540円 ~1,600円 |
初値予想 | 1,600円 ~2,000円 |
想定PER | 約15倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | 約0.9% |
想定時価総額 | 27億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3.8億円で、時価総額が27億円と東証ジャスダック上場銘柄としては小型案件です。極めて需給がタイトのため、初値高騰は見込みたい一方、業績面からも様子見の動きが予想されます。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
田城 弘志 | 26.62% | 180日間 |
(株)GSマネジメント | 24.84% | 180日間 |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 11.06% | 90日間or1.5倍 |
田丸 祥一 | 5.51% | |
三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合 | 4.23% | 90日間or1.5倍 |
鷹岡(株) | 3.25% | |
ナントCVC投資事業有限責任組合 | 3.25% | 90日間or1.5倍 |
佛圓 悠馬 | 1.95% | 180日間 |
名本 育広 | 1.95% | 180日間 |
吉田 招代 | 1.95% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、社長である田城弘志氏が筆頭株主で、同社株の27%を有しています。資産管理会社保有分を合わせると51%程度を有しています。その他は役員・従業員のほか、VC等が株主となっています。
今回の売出は田城社長のみで、計70,000株の売出です。
今回は公募で1.9億円の資金調達を行い、調達資金は新規店舗出店費用や基幹システムの開発費用に充てる予定です。
なお、大株主の内、役員・従業員には180日、VCには90日及び公募価格1.5倍のロックアップ制限がかかっています。初値は一定水準で落ち着きそうですので、上場後の値動きの中でのVCエグジットが起こる可能性があります。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業成長に向けた資金調達を目的としたIPO
となります。流動株式数が極めて低く、需給がタイトであるため公募割れリスクはないものの、業績面での不安感は残ったままです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「タンゴヤ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 86.96% | 210,000株 |
幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4.35% | 10,500株 |
SMBC日興証券 | 3.48% | 8,400株 | |
野村證券 | 3.48% | 8,400株 | |
SBI証券 | 0.87% | 2,100株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 2,100株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他を三菱UFJモルガン・スタンレー証券含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
若いビジネスマンを中心にオーダースーツ需要を高めてきている同社の上場となります。上場後は株主優待等の整備によって、更なるオーダースーツへの流れをつくりそうな印象です。業績面をチェックは必要であるものの、今後の成長が楽しみな会社と言えます。