2018年12月20日に東証マザーズ市場へ上場する「自律制御システム研究所」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
自律制御システム研究所の上場日は!?期待度は?
企業名 | 自動制御システム研究所 |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 6232 |
事業内容 | 商業用ドローンの製造販売及び自律制御技術を用いた無人化・IoT化に係るソリューションサービスの提供 |
所在地 | 千葉県千葉市 |
設立 | 2013年 |
従業員 | 44名 |
会社HP | http://www.acsl.co.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2018年12月21日(金) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2018年12月5日(水)~2018年12月11日(火) |
価格決定日 | 2018年12月12日(水) |
購入申込期間 | 2018年12月13日(木)~2018年12月18日(火) |
同社はドローンの自社開発を行うメーカーです。
中国勢が強いドローン分野に対して、国産ドローンで乗り込む同社は今後世界と戦っていく会社に成長する可能性を秘めています。将来性のある会社の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.acsl.co.jp/)
同社は2013年に創業した、ドローンの開発・販売を行うメーカーです。
元々現会長で千葉大学の野波健蔵教授が自身の研究室で研究していたドローン技術を基に設立されました。BtoC向けに強い中国系に対して、同社のドローン技術はBtoB向けに強い特徴があります。
特にロボットの自律制御システムを自社開発し、頭脳に当たる制御システムから躯体の開発までを一貫して行っています。
現在元マッキンゼー出身の太田裕朗社長が先頭に立ち営業活動を行っています。
現在大手企業から特注で注文が入るなど今後の成長に期待できます。
売上や成長性は?
2015年1月期 | 2016年1月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 36 | 179 | 121 | 157 | 370 |
経常利益(百万円) | △11 | △57 | △1 | △486 | △454 |
当期純利益(百万円) | △11 | △58 | △2 | △489 | △460 |
純資産額 (百万円) | 10 | 132 | 850 | 361 | 2,023 |
BPS(円) | 4,501 | 52,677 | 51,984 | △96 | △218 |
EPS(円) | △7,345 | △23,434 | △687 | △88 | △72 |
自己資本比率(%) | 12 | 75 | 91 | 71 | 86 |
ROE(%) | – | – | – | – | – |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ |
同社の業績はまだ道半ばの印象です。売上高は徐々に増加しているものの不安定です。利益面でも開発コストが先行しているため赤字が続きます。配当政策は内部留保を優先するため無配です。
公募株数 | 総数2,583,700株 (内、公募900,000株、売出1,683,700株) |
OA分 | 387,500株 |
発行済み株数 | 10,152,105株 |
想定価格 | 3,380円(100株単位・34万円) |
仮条件 | 3,000円~3,400円 |
初値予想 | 3,800円~5,000円 |
想定PER | ー倍 |
想定PBR | 約7倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 343億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は100億円で、時価総額は343億円とマザーズ上場にしては大型案件です。現状も赤字ではあるものの利益が出ていないため値動きの幅が大きくなりそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
UTEC3号投資事業有限責任組合 | 19.93% | 90日間or1.5倍 |
野波 健藏 | 14.23% | 90日間or1.5倍 |
楽天(株) | 12.81% | 90日間or1.5倍 |
(株)菊池製作所 | 9.96% | 90日間or1.5倍 |
iGlobe Platinum Fund Ⅱ Pte. Ltd. | 9.49% | |
(株)SMBC信託銀行(特定運用金外信託口(契約番号12100440)) | 7.91% | |
太田 裕朗 | 4.98% | |
鷲谷 聡之 | 3.56% | |
早川 研介 | 3.56% | |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 3.16% |
大株主は、株式会社東京大学エッジキャピタルが運営する「UTEC3号投資ファンド」で20%を有します。第2位は創業者の野波健蔵会長が14%を有しています。その他特注でドローンを発注する楽天や菊池製作所等の上場会社や、投資ファンドが名を連ねています。
株主構成が複雑であり、上場後のエグジットについてはやや動向がわからない部分があります。ただし大株主4位までは90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップ制限がかかっているため、5,000円頃までは堅調に上がる可能性はあります。
今回の売出はUTEC3号ファンドを含める10者で168万株です。ファンドや上場企業が売却してくるため、上場時である程度エグジットリスクを抑えられる可能性が高いです。
公募によって調達する27.7億円はドローンの製造に必要な費用、優秀な人材を採用するための採用費、展示会等に係る販売促進費および研究開発費に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「自動制御システム研究所」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 87.84% | 2,609,800株 |
幹事 | 野村證券 | 2.61% | 77,500株 |
大和証券 | 2.61% | 77,500株 | |
SBI証券 | 1.74% | 51,600株 | |
いちよし証券 | 1.74% | 51,600株 | |
SMBC日興証券 | 0.87% | 25,800株 | |
岡三証券 | 0.87% | 25,800株 | |
水戸証券 | 0.87% | 25,800株 | |
楽天証券 | 0.87% | 25,800株 |
今回はみずほ証券が主幹事です。大手証券も幹事に名を連ねていますが、ある程度獲得できるチャンスはある銘柄です。
著者のまとめ
国産ドローンメーカーとして世界に立ち向かう実力を持った企業の上場です。現状利益は出ておらず、売上高も非常に小さい案件ですが、多くの事業会社が同社を支援した結果上場にこぎつけています。
ここからの会社であるため、上場後の値動きは非常に読みづらい部分がありますが、BtoB向けに自律制御ができるドローンを開発している点からも期待される点からも、高く評価をしていきたい案件となりそうです。