2018年9月27日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「極東産機」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
極東産機の上場日は!?期待度は?
企業名 | 極東産機 |
上場市場 | 東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード | 6233 |
事業内容 | 自動壁紙糊付機・コンピュータ式畳製造装置等の自動化・省力化機器、顧客仕様による各種産業機器、特殊機能畳等の開発・販売、内装施工工具等のカタログ販売 |
所在地 | 兵庫県たつの市 |
設立 | 1948年 |
従業員 | 261名 |
会社HP | https://www.kyokuto-sanki.co.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2018年9月27日(木) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2018年9月10日(月)~2018年9月14日(金) |
価格決定日 | 2018年9月18日(火) |
購入申込期間 | 2018年9月19日(水)~2018年9月25日(火) |
同社は1948年創業の産業機器メーカーです。
手作業を自動化へ導く機器をいくつも手掛け、企業向けに提供してきた同社が上場してきます。個人向けよりも法人向けに強いため、知名度は高くありませんが注目度が高いIPOです。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.kyokuto-sanki.co.jp/)
同社は1948年に兵庫県龍野市(現たつの市)で創業した産業機器メーカーです。
創業当初は自動畳製造機器等の製造販売を行い、現在でも稼働率の高い壁紙自動糊付け機械の製造といったニッチな産業機械を製造しているのが特徴です。
基本はBtoBビジネスが中心ですが、個人向けには葬式用や柔道用の畳を提供しています。
近年は太陽光発電システムや蓄電池の販売や自社における太陽光発電売電事業、フードサービスチェーン向けの厨房機器製造等、事業の幅を広げています。
今回のIPOに至った理由として自社工場の最新化への資金調達が挙げられ、戦略的なIPOとなっています。
売上や成長性は?
2013年9月期 | 2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年9月期 | |
売上高(百万円) | 8,188 | 8,829 | 8,181 | 8,688 | 8,891 |
経常利益(百万円) | 404 | 386 | 326 | 280 | 389 |
当期純利益(百万円) | 391 | 380 | 337 | 175 | 245 |
純資産額 (百万円) | 862 | 1,226 | 1,501 | 1,654 | 1,906 |
BPS(円) | 204 | 290 | 354 | 390 | 450 |
EPS(円) | 92 | 90 | 79 | 41 | 58 |
自己資本比率(%) | 13 | 17 | 20 | 21.8 | 25.4 |
ROE(%) | 58 | 36 | 25 | 11.1 | 13.7 |
配当性向(%) | 5.4 | 5.6 | 6.3 | 12.1 | 8.7 |
同社の業績は横ばいです。売上高および利益共に波が立っているといえます。ただし社歴が長い会社である一方、安定した売上高と利益を保っている点は評価できましょう。配当政策については、年1回の配当を予定しています。配当性向は10%前後となっており、配当利回りは1%程度を予定しています。
公募株数 | 総数1,040,000株 (内、公募1,000,000株、売出40,000株) |
OA分 | 156,000株 |
発行済み株数 | 5,235,000株 |
想定価格 | 395円(1株単位・4万円) |
仮条件 | 395円~405円 |
初値予想 | 2,500円~3,500円 |
想定PER | 約8倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 約1% |
想定時価総額 | 21億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は5億円と非常に小さいため、初値高騰が見込めそうです。時価総額も21億円と小ぶりである点は楽しみです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
頃安 憲司 | 19.20% | 180日間 |
三井住友信託銀行(株) 信託口 | 14.17% | 180日間 |
頃安 英毅 | 11.81% | 180日間 |
大阪中小企業投資育成(株) | 8.50% | 180日間 |
極東産機従業員持株会 | 8.22% | 180日間 |
頃安 雅樹 | 6.43% | 180日間 |
安積 美奈子 | 4.96% | 180日間 |
(株)三井住友銀行 | 4.96% | 180日間 |
(株)三菱UFJ銀行 | 3.78% | 180日間 |
松井 康明 | 1.63% | 180日間 |
大株主は社長の頃安雅樹氏が自己保有と三井住友信託銀行の信託口に預けている分で約21%を保有する筆頭株主です。その他頃安社長の兄弟を中心に株式を保有しています。一部銀行や投資ファンドが名を連ねています。
売出はSMBCベンチャーキャピタルと頃安憲司氏、PEファンドのみなとエクイティサポートの3者で、4万株です。大株主には基本180日のロックアップ制限がかかっているため、需給は非常にタイトです。
公募によって調達する5億円は、たつの市神岡工場の刷新費用や修繕費用、各事業所の移転費用や業務効率化システム導入等に充てられる予定で、前向きな投資のためのIPOであります。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「極東産機」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 96.52% | 1,154,400株 |
幹事 | 岩井コスモ証券 | 0.87% | 10,400株 |
エース証券 | 0.87% | 10,400株 | |
極東証券 | 0.87% | 10,400株 | |
SBI証券 | 0.87% | 10,400株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事を務めています。その他は中堅どころの証券会社が名を連ねているため、幹事会社に口座を持っている場合には配分の可能性はあります。ただし今回の公募価格が3桁台のため、配分をもらってもあまり旨味がないことが想定されます。
著者のまとめ
兵庫県でも岡山寄りに位置するたつの市に本社を構える同社は、ニッチな産業機器を製造するメーカーとして業界では有名です。
上場を機に一般にも名を広めることもIPOの目的として該当してきます。
同社は元々畳屋の家系であった頃安社長の祖父が、家業を少しでも楽になるように考え作った畳自動製造機器が創業の基盤であり、頃安社長で3代目となります。
パブリックな企業となることで、資金調達を容易にし良い製品を世におくりだしていくことが期待されます。ストーリーがしっかりとできている同社の上場に期待したいものです。