2019年12月17日に東証マザーズ市場へ上場する「ウィルズ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ウィルズの上場日は!?期待度は?どんな会社か簡単にPR
企業名 |
ウィルズ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4482 |
事業内容 |
機関投資家マーケティングツール『IR-navi』および個人投資家マーケティングツール『プレミアム優待倶楽部』の提供等 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2004年 |
従業員 |
42名 |
会社HP |
https://www.wills-net.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2019年12月17日(火) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2019年11月29日(金)~2019年12月5日(木) |
価格決定日 |
2019年12月6日(金) |
購入申込期間 |
2019年12月9日(月)~2019年12月12日(木) |
同社は投資家と上場会社を繋ぐIRサイトの運営を行う会社です。
企業のIR活動支援や個人投資家の利便性向上に向けたサイト運営を行っています。いち早く株主優待プログラムに取り組んだ会社の一つとして注目されています。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.wills-net.co.jp/)
同社は2004年に設立されました。創業者は現代表取締役社長の杉本光生氏で、元々アイ・アールジャパン等を経て同社を起業しました。
同社の事業は「株主管理プラットフォーム事業」の単一セグメントで、上場企業と機関投資家、個人投資家の架け橋となるプラットフォームの提供を行っています。
具体的なサービスは3つで、1つ目は上場企業向けの機関投資家マーケティングプラットフォームである「IR-navi」です。企業における機関投資家の株式保有状況をチェックし、IR戦略や機関投資家の傾向をチェックしたりできるなど、IR業務の効率化を図れるツールです。
2つ目は「プレミアム優待倶楽部」です。日本独自の株主優待制度を生かしたサービスで、企業の株主優待と紐づけ、独自の株主優待ポイントを付与したり、貯まったポイントをサイト内で商品と交換ができる形です。
また2019年3月からは「WILLsVote」というブロックチェーン技術を活用した電子議決権行使プラットフォームで、株主総会において電子議決権を行使できるため株主にとって利便性が向上するサービスです。2019年9月末時点で利用企業は2社となっていますが、今後更に増加する見込みです。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
389 |
341 |
387 |
650 |
1,161 |
経常利益(百万円) |
16 |
△29 |
△50 |
56 |
108 |
当期純利益(百万円) |
2 |
△34 |
△58 |
4 |
122 |
純資産額 (百万円) |
43 |
109 |
115 |
118 |
252 |
BPS(円) |
6,009 |
11,113 |
9,585 |
33 |
70 |
EPS(円) |
243 |
△4,437 |
△5,608 |
1 |
35 |
自己資本比率(%) |
14.4 |
37.2 |
32.4 |
33.5 |
30.1 |
ROE(%) |
7.8 |
– |
– |
3.1 |
66.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は急激に伸び基調に変わりました。2016年12月期までは横ばいでしたが、2017年12月期より上昇に転じました。2019年12月期3Q(2019年9月末)売上高は1,177百万円、経常利益は243百万円と過去最高業績が見込まれています。配当は設立来無配で、引き続き内部留保の拡充を図るため無配が予想されています。
公募株数 |
総数320,000株 (内、公募100,000株、売出220,000株) |
OA分 |
48,000株 |
発行済み株数 |
4,597,600株 |
想定価格 |
910円(100株単位・9万円) |
仮条件 |
910円~960円 |
初値予想 |
1,500円~2,000円 |
想定PER |
約34倍 |
想定PBR |
約13倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
42億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3億円で、時価総額が42億円です。東証マザーズ上場で、小ぶり案件であるため初値高騰が見込めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
杉本 光生 |
31.76% |
180日間 |
蓮本 泰之 |
13.54% |
180日間 |
SUGアセット(株) |
6.31% |
180日間 |
ウィッテン・ダレル |
3.51% |
180日間 |
上川 博史 |
3.22% |
180日間 |
青山 洋一 |
3.01% |
180日間 |
神保(株) |
2.29% |
180日間or1.5倍 |
(株)ケーアイティーシー |
2.29% |
180日間or1.5倍 |
秋元 伸介 |
2.07% |
180日間 |
蒲野 宏之 |
2.04% |
180日間 |
同社の大株主は、創業者である杉本社長で同社株の32%を保有しています。杉本社長の資おり、3分の1を保有する大株主です。その他役員や従業員が株式を保有しており、その他同業企業が株主として名を連ねています。
今回の売出は企業及び個人を含めた11名が実施し、22万株の売出を行います。
公募は0.7億円の資金調達で、プレミアム優待倶楽部やIR-naviのシステム開発資金の一部に充当する予定です。大半の大株主には180日もしくは、180日および公開価格1.5倍のロックアップ条項がついており、既存株主によるエグジットリスクは低いです。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件となりますが、ファンドが特に売出を行う予定もないため、市場からの評価はそこまで低くないと言えます。業種としても人気なネット業界であるため、初値高騰が見込めそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ウィルズ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
93.04% |
342,400株 |
幹事 |
大和証券 |
1.74% |
6,400株 |
SBI証券 |
1.74% |
6,400株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
0.87% |
3,200株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
3,200株 |
|
楽天証券 |
0.43% |
1,600株 |
|
松井証券 |
0.43% |
1,600株 |
|
エース証券 |
0.43% |
1,600株 |
|
水戸証券 |
0.43% |
1,600株 |
今回の主幹事はあるみずほ証券が主幹事を務めます。また大和証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
企業のIR関連サービスを提供する会社の上場となります。上場会社と個人投資家をつなぐ役割を担い、新たなツールを活用することでより利便性の向上に努めていく方針です。公開価格も3桁台と個人投資家が投資しやすく、買いを集めそうな案件です。
同日には期待のベンチャー企業「フリー」が上場してきますが、サイズ感としては同社に分があるでしょう。