2019年12月16日に東証2部市場へ上場する「ベース」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ベースの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ベース |
上場市場 |
東証2部 |
銘柄コード |
4481 |
事業内容 |
受託開発を中心としたソフトウェア開発サービスの提供など |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
1997年 |
従業員 |
737名 |
会社HP |
http://www.basenet.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2019年12月16日(月) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2019年11月28日(木)~2019年12月4日(水) |
価格決定日 |
2019年12月5日(木) |
購入申込期間 |
2019年12月6日(金)~2019年12月11日(水) |
同社はソフトウェアの受託開発を行う会社です。
様々なものにコンピューターが組み込まれる中、ソフトウェア開発会社の重要性が高まっています。創業20年以上と歴史と実績がある会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://www.basenet.co.jp/)
同社は1997年に埼玉県越谷市で設立したソフトウェア開発会社です。創業者は中国・上海出身の中山克成氏(現代表取締役社長)。大学時代よりソフトウェア専攻で、中国でソフトウェア開発を行っていましたが、レベルアップを求め単身で日本に留学し、日本企業での勤務を経て起業された方です。
同社は子会社2社によって構成されており、それぞれソフトウェア開発を行っています。大多数を占める事業としては「システム開発」で、オープン系システム開発や運用保守を引受しており、クライアントに合わせた開発等行っています。また自社のエンジニアをクライアント向けに派遣を行うSES事業も行っています。
また、独・SAP社のERPソリューションの設計から開発、保守運用までを一気通貫で対応しており、企業の基幹システム構築に役立っています。その他では、BPO事業を行っており、金融機関向け口座開設サービス等、業務のアウトソーシング(BPO)にITシステムを活用することができる体制を構築しています。
主に、金融や流通、製造向けに強みを持っており、業界大手の富士通からは実績と信頼があることを認められた「コアパートナー」に認定されており、業界内でも評価の高い会社です。
設立より20年以上と実績があり、従業員数も700名を超えていますが、上場を機に更なる拡大に向けて動いていく模様です。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
3,950 |
4,878 |
4,837 |
5,889 |
7,501 |
経常利益(百万円) |
521 |
716 |
816 |
812 |
1,088 |
当期純利益(百万円) |
316 |
381 |
548 |
543 |
703 |
純資産額 (百万円) |
1,867 |
2,170 |
2,330 |
2,798 |
3,271 |
BPS(円) |
1,484 |
1,725 |
1,852 |
1,015 |
1,192 |
EPS(円) |
251 |
303 |
436 |
214 |
267 |
自己資本比率(%) |
49.3 |
42.9 |
36.2 |
36.2 |
43.5 |
ROE(%) |
18.1 |
18.9 |
24.4 |
21.8 |
24.2 |
配当性向(%) |
27.9 |
99 |
68.8 |
31.7 |
31.4 |
業績は緩やかに伸びています。2017年12月期より連結決算となりましたが、売上は2016年12月期で減収となったものの、伸ばしています。また経常利益も微減益はありながらも伸ばしています。なお、2019年12月期3Q(2019年9月末)連結の売上高は7,046百万円、経常利益は1,315百万円と好調で過去最高業績が期待できます。配当はこれまでも出してきましたが、上場後も引き続き出す方針です。尚、年1回期末配当で、配当性向は30%を目安とする予定です。。
公募株数 |
総数295,000株 (内、公募280,000株、売出15,000株) |
OA分 |
44,200株 |
発行済み株数 |
2,916,000株 |
想定価格 |
4,650円(100株単位・47万円) |
仮条件 |
4,600円~4,700円 |
初値予想 |
4,700円~5,500円 |
想定PER |
約19倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
約1.6% |
想定時価総額 |
135億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は16億円で、時価総額が135億円です。東証2部上場銘柄として強い人気が出ない可能性は高いものの、会社としてのスペックは悪くなく、機関投資家を中心に買いを集めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
中山アセット(株) |
46.20% |
180日間 |
富士通(株) |
9.03% |
180日間 |
伊藤商事(株) |
8.82% |
180日間 |
佐久間 達也 |
7.05% |
|
ベース社員持株会 |
6.64% |
|
村崎 小雪 |
2.40% |
180日間 |
中山 克成 |
2.12% |
180日間 |
中山 秋子 |
2.12% |
180日間 |
みずほ証券(株) |
1.41% |
|
和田 成史 |
1.41% |
180日間 |
同社の大株主は、中山社長の資産管理会社である中山アセット㈱で同社株の46%を保有しています。中山社長の保有株である2%で過半数は有していません。また創業メンバーである伊藤専務の資産管理会社である伊藤商事㈱が同社株式9%を保有する大株主です。その他役員や従業員が株式を保有していますが、パートナー先である富士通㈱やみずほ証券㈱など事業会社も株主としております。
今回の売出は中山アセット㈱のみが実施し、15,000株の売出を行います。
公募は12億円の資金調達で、人材採用費および教育研修費、借入金の返済に充当する予定です。大半の大株主には180日のロックアップ条項がついており、既存株主によるエグジットリスクは低いです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件となり、市場からのイメージも良いでしょう。大株主のエグジットリスクが低いため、2部上場ながらも堅調な値動きが期待できそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ベース」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
89.65% |
304,100株 |
幹事 |
野村證券 |
2.59% |
8,800株 |
SMBC日興証券 |
1.74% |
5,900株 |
|
SBI証券 |
1.74% |
5,900株 |
|
むさし証券 |
0.85% |
2,900株 |
|
岡三証券 |
0.85% |
2,900株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.85% |
2,900株 |
|
エース証券 |
0.85% |
2,900株 |
|
マネックス証券 |
0.85% |
2,900株 |
今回の主幹事は株主でもあるみずほ証券が主幹事を務めます。また野村證券を含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
システム受託開発を行う会社の動きが活発で、同社も同様に評価を受けそうな気配があります。上場時のバリエーションも高くなく、堅調に株価を伸ばしていきそうです。