2021年8月20日に東証マザーズ市場へ上場する「シイエヌエス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
シイエヌエスの上場日は!?期待度は?
同社はシステム開発を手がける会社です。
同業となる上場会社が多いものの、引き続きシステム開発への需要が高まっている背景から、初値も期待されそうな案件でしょう。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | シイエヌエス |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4076 |
事業内容 | システムエンジニアリングサービス |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 1985年 |
従業員 | 191名 |
会社HP | https://www.cns.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年8月20日(金) |
主幹事 | 東海東京証券 |
BB期間 | 2021年8月4日(水)~ 2021年8月11日(水) |
価格決定日 | 2021年8月12日(木) |
購入申込期間 | 2021年8月13日(金)~ 2021年8月18日(水 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.cns.co.jp/service/)
同社は1985年に設立された会社で、創業来システム受託開発を手掛けてきました。現在は北海道に子会社を有しており、全国規模でシステム開発を手掛けられる体制を構築しています。
同社は「システムエンジニアリングサービス事業」の単一セグメントで運営されていますが、業務内容に応じてサービスラインを4つ分けています。1つ目は「システム基盤事業」です。こちらは、システムの設計構築運用までを手掛けている事業で、オンプレミス(従来の自社サーバーでのシステム運用)やクラウドのいずれの環境でも対応可能な人材を抱えています。自社内で要件定義から設計、開発までをワンストップで手がける体制を構築しています。
2つ目は「業務システムインテグレーション事業」で、こちらは業務システムの初期検討から開発運用までをサポートする事業となっています。これまで金融機関や流通業向けの強いノウハウを有していることから、高いレベルのコンサルティングを提供できる体制となっています。
3つ目は「ビッグデータ分析事業」で、クライアントの顧客によるデータを分析するモデルを構築し、マーケティングや品質管理への効率化を図れるようなサービス提供を行なっています。
4つ目は「デジタル革新推進事業」で、今日のDXへの動きに合わせた製品サービスの保守運用業務を手掛けています。
同社はこれまでの実績から、NTTデータをパートナーとして、高レベルなシステム開発スキルを有しており、引き続き求められる需要に対応できる体制を有している点が同社の強みです。
2016年5月期 | 2017年5月期 | 2018年5月期 | 2019年5月期 | 2020年5月期 | |
売上高(百万円) | 3,400 | 3,674 | 3,853 | 4,434 | 4,578 |
経常利益(百万円) | 307 | 422 | 357 | 276 | 486 |
当期純利益(百万円) | 192 | 109 | 225 | 143 | 325 |
純資産額 (百万円) | 968 | 1,029 | 1,200 | 1,445 | 1,720 |
BPS(円) | 80,638 | 85,709 | 99,986 | 576 | 686 |
EPS(円) | 15,966 | 9,064 | 18,772 | 59 | 130 |
自己資本比率(%) | 55 | 55 | 52 | 60 | 61 |
ROE(%) | 22 | 10.9 | 20.2 | 10.6 | 20.6 |
配当性向(%) | 25.1 | 49.6 | 26.6 | 43.2 | 21.2 |
業績はやや頭打ち感があります。2019年5月期より連結決算としているため単純比較はできませんが、売上高は着実に伸ばす一方、利益は上下している状況です。
尚、2021年5月期3Q(2021年2月)の売上高は3,490百万円、経常利益は391百万円となっており、前期と同水準もしくはやや上回る状況です。
配当はこれまでも出してきており、上場後も引き続き出していく方針です。尚、前期では21%の配当性向でしたが、上場後も同水準の配当が予想されています。
公募株数 | 総数520,000株 (内、公募320,000株、売出200,000株) |
OA分 | 78,000株 |
発行済み株数 | 2,828,000株 |
想定価格 | 1,650円(100株単位:17万円) |
仮条件 | 1,700円 ~1,940円 |
初値予想 | 2,300円 ~3,500円 |
想定PER | 約14倍 |
想定PBR | 約2倍 |
配当利回り | 約1.3% |
想定時価総額 | 47億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は10億円で、時価総額が47億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。極めて需給がタイトのため、初値高騰は見込めるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
富山 広己 | 24.11% | 180日間 |
N&KT(株) | 23.92% | 180日間 |
関根 政英 | 7.11% | 180日間 |
シイエヌエス従業員持株会 | 5.36% | |
小野間 治彦 | 4.48% | 180日間 |
楠見 慶太 | 4.47% | 180日間 |
(株)エヌ・ティ・ティ・データ | 3.99% | 180日間 |
生活協同組合コープさっぽろ | 3.99% | 180日間 |
戸田 忠志 | 2.39% | 180日間 |
種田 政行 | 2.15% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、会長である富山広己氏が筆頭株主で、同社株の24%を有しています。資産管理会社保有分を合わせると48%程度を有しています。その他は役員・従業員が株主となっており、一部パートナーであるNTTデータやコープさっぽろも株式を保有しています。
今回の売出は富山会長のみで、計200,000株の売出です。
今回は公募で4.7億円の資金調達を行い、調達資金は内部体制構築のための人材採用費や人件費、研究開発費や教育研究費、基幹システム構築費用に充てる予定です。
なお、大株主には180日のロックアップ制限がかかっています。NTTデータやコープさっぽろもロックアップ制限がかかっており、エグジットリスクは極めて低い状況です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業成長に向けた資金調達を目的としたIPO
となります。流動株式数が極めて低く、需給がタイトな中初値高騰が見込めるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「シイエヌエス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 東海東京証券 | 91.30% | 546,000株 |
幹事 | 岩井コスモ証券 | 1.74% | 10,400株 |
SBI証券 | 1.74% | 10,400株 | |
松井証券 | 1.74% | 10,400株 | |
水戸証券 | 1.30% | 7,800株 | |
東洋証券 | 1.30% | 7,800株 | |
岡三証券 | 0.87% | 5,200株 |
今回の主幹事は東海東京証券が主幹事を務めます。その他を岩井コスモ証券含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にフューチャーリンクネットワークが上場してくるため、資金の分散が起きることが予想されますが、規模感としては初値高騰が見込めそうです。一方業績面ではやや陰りが見えており、上場後も引き続き成長できる姿勢を証明してくれることが望まれます。