2020年3月10日に東証マザーズ市場へ上場する「ビザスク」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ビザスクの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ビザスク |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4490 |
事業内容 |
ビジネス分野に特化したナレッジシェアリングプラットフォームの運営 |
所在地 |
東京都目黒区 |
設立 |
2012年 |
従業員 |
88名 |
会社HP |
|
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2020年3月10日(火) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年2月20日(木)~2020年2月27日(木) |
価格決定日 |
2020年2月28日(金) |
購入申込期間 |
2020年3月2日(月)~2020年3月5日(木) |
同社はスポットコンサルサービスを提供する行う会社です。
事業会社のトップやフリーランスでアドバイスや調査を求めている方と、専門的な知識を有した人材とマッチングさせるという新しいビジネスを提供している会社です。市場でも期待されている業種の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://visasq.co.jp/service)
同社は2012年に設立した比較的若い会社です。創業者は現代表取締役社長兼CEOの端羽英子氏で、東京大学経済学部を卒業後ゴールドマンサックス証券や日本ロレアルで勤務し、ユニゾン・キャピタルでPEファンドに従事した後に当社を設立したキャリアウーマンです。
同社のビジネスは、専門的な知識やアドバイスを求めている方と、求められた専門的な知識を有した専門家をマッチングするというサービスで運営されています。
オンライン上で専門家とマッチングした後、クライアントが望む形(面談・調査)に沿って、専門家に対して日程調整やインタビューを行い、スポットコンサルを実施するという新しいビジネスモデルを提供しています。
2019年11月現在、同社が運営するマッチングサイト「ビザスク」の国内登録者数は8.6万人となっており、創業来右肩上がりに登録者数を伸ばしています。登録者の業種は幅広く、職域も営業からITシステムなどと多種様々な専門家が登録しています。
一方で、クライアントとなる法人顧客数は423社とこちらも順調に伸ばしており、コンサルティングファームや金融機関、事業法人が登録しており、同社が間に立ってマッチングを行っています。
マッチング後スポットコンサルを実施した際に発生する対価の一部を報酬として受ける形となっており、顧客数の増加に伴い取引額の増加も見込めそうです。
売上や成長性は?
|
2015年2月期 |
2016年2月期 |
2017年2月期 |
2018年2月期 |
2019年2月期 |
売上高(百万円) |
4 |
22 |
100 |
264 |
614 |
経常利益(百万円) |
△41 |
△88 |
△121 |
△58 |
24 |
当期純利益(百万円) |
△42 |
△89 |
△122 |
△59 |
27 |
純資産額 (百万円) |
29 |
200 |
77 |
19 |
46 |
BPS(円) |
△13,596 |
△60,371 |
△2,496 |
△62 |
△56 |
EPS(円) |
△17,931 |
△31,999 |
△796 |
△8 |
4 |
自己資本比率(%) |
88.3 |
88.3 |
46.8 |
5.1 |
9.6 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
84.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は成長過程の最中と言えます。営業収益は右肩上がりに成長しております。一方、経常利益は2019年2月期で初めて黒字転換しており、ようやく収益化の見込みが立ちました。尚、2020年2月期3Q(2019年11月末)営業収益は698百万円、経常利益は58百万円と3Q時点で既に昨年の数字を上回っています。
配当はこれまで無配であり、上場後も内部留保優先のため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数2,843,200株 (内、公募500,000株、売出2,343,200株) |
OA分 |
426,400株 |
発行済み株数 |
8,185,000株 |
想定価格 |
2,100円(100株単位:21万円) |
仮条件 |
1,300円~1,500円 |
初値予想 |
2,000円~3,000円 |
想定PER |
約625倍 |
想定PBR |
約17倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
171億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は69億円で、時価総額が171億円とマザーズ銘柄として中規模の上場となります。業界柄成長過程の真っ只中のため期待できますが、3月の市場の動向もあり値動きには強く期待できません。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
端羽 英子 |
51.56% |
90日間 |
A-Fund Ⅱ, L.P. |
11.59% |
90日間or1.5倍 |
DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投資事業有限責任組合 |
9.67% |
90日間or1.5倍 |
花村 創史 |
4.95% |
|
CA Startups Internet Fund1号投資事業有限責任組合 |
4.24% |
|
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 |
2.46% |
|
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 |
2.46% |
|
CA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合 |
2.04% |
90日間or1.5倍 |
平林 芳彦 |
1.42% |
継続保有 |
瓜生 英敏 |
1.22% |
90日間 |
同社の大株主は、創業者である端羽社長で、同社株の52%を有するオーナーです。その他従業員および役員が保有していますが、VC等のファンドが多く、資金調達の上で高い時価総額となった模様です。
今回の売出は端羽社長及び複数のVCを含めた11者で、2,343,200株の売出です。端羽社長は今回のIPOで過半数割れの議決権となりますが、引き続き筆頭株主です。
公募によって9.6億円の資金調達を実施し、金融機関からの借入金の返済や広告宣伝費、同社の人材採用費等に充てる予定です。大株主の内同社関連人物に関しては90日もしくは継続保有のロックアップが掛かっており、VC等には90日もしくは1.5倍のロックアップが掛かっています。VCが多いため公募価格の1.5倍近辺ではエグジットによる売りが発生する可能性があります。
今回は売出が公募を大きく上回るエグジット案件で、VCを中心としたエグジットです。業績への期待が高い分、売出額が大きい点がやや難点です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ビザスク」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
66.05% |
1,687,000株 |
幹事 |
大和証券 |
13.12% |
335,000株 |
SMBC日興証券 |
9.04% |
231,000株 |
|
野村證券 |
4.42% |
113,000株 |
|
東海東京証券 |
4.42% |
113,000株 |
|
SBI証券 |
1.47% |
37,500株 |
|
マネックス証券 |
1.47% |
37,500株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他大和証券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
2020年3月の株式市場は大きく荒れており、IPO銘柄にも大きな影響が及ぶ恐れがあります。ただし、同社ビジネスの可能性は高く、市場と逆行して上がる可能性があります。長期的には注目したい事業を行っているため、初値には要注目です。